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Obsidianプロパティ完全ガイド!基本から活用法まで徹底解説

Obsidianプロパティ

Obsidianを使っていると「プロパティ」という機能名を耳にすることが増えてきたのではないでしょうか。これは、従来のテキストエディタとしてのObsidianを、強力な「リレーショナル・データベース」へと進化させる非常に重要な機能です。しかし、いざ使ってみようとすると「タグと何が違うの?」「日付のフォーマットが勝手に変わってしまう」「設定したはずなのに画面から消えた」といった細かい疑問やトラブルに直面することも少なくありません。私自身も最初は、YAMLフロントマターと呼ばれるコードを直接書いていた時期があり、記述ミスでメタデータが反映されずに悩んだ経験が何度もあります。

この記事では、Obsidianのプロパティ機能を基礎から徹底的に解説します。単なる使い方の説明だけでなく、私が日々のノート管理で実践しているリンクの活用法、テンプレートによる入力の自動化、そして大量のノートを効率的に処理するための検索テクニックまで、実戦的なノウハウを余すことなく紹介します。これを読めば、あなたのObsidianは単なるメモ帳から、第二の脳として機能する知識のデータベースへと生まれ変わるはずです。

  • プロパティの基本的な設定方法と3つの表示モードの使い分け
  • データ型(テキスト、リスト、日付など)の仕様と入力のコツ
  • 検索機能やDataviewプラグインを使った高度なデータ活用術
  • テンプレートや外部エディタを使った効率的な管理テクニック

Obsidianプロパティの基本的な使い方

Obsidianのプロパティ機能は、バージョン1.4のアップデートで導入された、比較的新しい中核機能です。それまでは「YAMLフロントマター」という、ファイルの先頭に---で囲んで記述するテキスト領域でメタデータを管理していましたが、プロパティ機能の実装により、直感的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で操作できるようになりました。ここでは、まず最初に押さえておきたい基本的な設定や、入力時の細かいルールについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

プロパティの設定と表示モード

Obsidianのプロパティは、各ノートの最上部に表示される「メタデータ管理エリア」です。ここには、ノートの作成日、著者、ステータス(未完了/完了)、関連するプロジェクト名など、ノートの「中身」ではなく「属性情報」を記録します。

このプロパティエリアには、ユーザーの作業状況や好みに応じて使い分けられる「3つの表示モード」が用意されています。これらをショートカットキーやコマンドパレットでスムーズに切り替えることが、快適な執筆環境を作る第一歩です。

状況に応じた3つの表示モードの使い分け

  • 表示 (Visible) 最も標準的なモードです。プロパティが整形されたテーブル形式で常に表示され、クリック一つで値を追加・編集できます。データの確認や整理を行いたい時はこのモードが最適です。どのようなプロパティが設定されているか一目でわかるため、データベースのメンテナンス作業に向いています。
  • 非表示 (Hidden) プロパティエリアを完全に隠し、ノートのタイトルと本文だけを表示するモードです。余計な情報が目に入らなくなるため、純粋に文章を書くことに集中したい「執筆モード」として重宝します。プロパティは存在していますが、見た目上は見えなくなります。
  • ソース (Source) GUIではなく、裏側のデータである「YAML形式のテキスト」を直接表示・編集するモードです。key: valueという形式で生のデータが見えるため、プロパティを一括でコピー&ペーストしたり、微妙な記述エラーを手動で修正したりする「上級者向け」のモードと言えます。

サイドバーで全体を俯瞰する

各ノートの上部だけでなく、右側のサイドバーにある「All Properties」ビュー(コアプラグインで有効化可能)を使うと、自分の保管庫(Vault)全体でどのようなプロパティが使われているか一覧で確認できます。「あれ、作成日は『date』だっけ?『created』だっけ?」と迷った時に、ここを見れば使用頻度とともに確認できるので、表記揺れを防ぐのに非常に役立ちます。

タグをプロパティで管理するメリット

Obsidianでは、本文中に#tagと書くことでタグ付けができますが、プロパティ機能の中にも「Tags」型という専用の入力欄が用意されています。「どちらを使えばいいの?」と迷うポイントですが、私は明確な基準を持って使い分けています。

結論から言うと、ノート全体を分類するためのタグはプロパティで管理し、文脈に依存するキーワードは本文中のタグで管理するのがおすすめです。

プロパティでタグを管理すべき理由

プロパティ内のタグは、そのノートが「何であるか」を定義するのに適しています。例えば、読書ノートであれば#book、会議議事録であれば#meetingといった具合です。これらをプロパティに入れておくことで、データベースとして扱う際に「これは本のデータだ」とシステムが明確に認識できるようになります。

一方、本文中のタグは「文脈」を持ちます。例えば、「この議論は #重要 だ」と書いた場合、そのタグは直前の文章にかかっています。これをプロパティに入れてしまうと、ノート全体が「重要」なのか、特定の部分が「重要」なのかが曖昧になってしまいます。

機能 プロパティのタグ (Frontmatter) 本文中のタグ (Inline)
役割 ノート全体の分類・属性 特定の文脈や段落への注釈
具体例 #book, #project/A, #status/done #idea, #todo, #check
検索・集計 Dataview等でフィルタリングしやすい 文脈検索に強い

このように役割を分担させることで、検索結果がノイズだらけになるのを防ぎ、将来的に情報を再利用する際の精度を高めることができます。

リンクをプロパティに設定する方法

プロパティ機能の最も強力な点の一つが、他のノートへのリンク(WikiLink)をメタデータとして持てることです。テキスト型やリスト型のプロパティの中に[[ノート名]]と入力することで、Obsidianはそれを単なる文字列ではなく「リンク」として認識します。

例えば、「著者」というプロパティに[[夏目漱石]]と入力しておけば、クリック一つで夏目漱石のノート(人物プロファイル)に飛ぶことができますし、逆に夏目漱石のノートからバックリンクを辿って、著書一覧を確認することも可能になります。

自動リネーム追従機能の恩恵

Obsidianのリンク機能の真骨頂は、ファイル名を変更した時の挙動にあります。もしあなたが「夏目漱石」というノートのタイトルを「夏目漱石(作家)」に変更したとしましょう。すると、Obsidianは自動的にVault内のすべてのリンクを探索し、プロパティ内に書かれた[[夏目漱石]]という記述も[[夏目漱石(作家)]]へと一瞬で書き換えてくれます。

これがもし、一般的なテキストエディタやExcelで管理していたら、リンク切れが多発してデータベースは崩壊してしまうでしょう。この「リンクの堅牢性」こそが、Obsidianでプロパティ管理を行う最大のメリットと言っても過言ではありません。

ソースモード編集時の注意点:引用符のルール

GUIで入力する場合は自動処理されるので気にする必要はありませんが、ソースモードで直接YAMLを編集する場合、リンク記法[[ ]]は特殊文字として扱われるため、必ず二重引用符で囲む必要があります。

NG: author: [[夏目漱石]] OK: author: "[[夏目漱石]]"

これを忘れるとYAMLのパースエラー(解析不能)となり、プロパティが表示されなくなる原因となりますので注意してください。

日付の書式設定と入力のコツ

日記、議事録、タスク管理など、「いつ」という情報は情報管理において最も基本的な軸となります。Obsidianのプロパティには「Date(日付)」型と「Date & Time(日時)」型が用意されており、これらを使うことでデータの整合性を保つことができます。

テキストとして日付を入力していた頃は、「2025/1/1」「2025-01-01」「Jan 1st」といった表記揺れが頻発し、後から「2025年1月のノート」を検索しようとしても漏れが発生することがありました。しかし、Date型を使えば、入力インターフェースはカレンダーピッカーになり、保存されるデータは国際標準規格である「ISO 8601形式(YYYY-MM-DD)」に統一されます。

Dataviewでの計算活用

日付が「データ」として正しく認識されていると、高度な計算が可能になります。例えば、コミュニティプラグインのDataviewを使用すれば、「作成日から今日まで何日が経過したか」を自動計算して表示したり、「最終更新から1年以上経過したノート」だけをリストアップしてリライト候補として提示したりすることも簡単です。

個人的なコツとしては、日々の記録(Daily Note)を作成する際、テンプレート機能を使ってcreated: {{date}}のように自動で日付が入るように設定しておくことです。これにより、入力の手間を省きつつ、確実な時系列データを蓄積していくことができます。

表示されない時の対処法

「昨日までは綺麗に表示されていたプロパティ画面が消えて、急にコードのような文字列(ソースモード)が表示されるようになってしまった」。これはObsidianユーザーなら一度は経験するトラブルです。この現象の9割以上は、YAML形式の記述ルール違反(シンタックスエラー)が原因です。

Obsidianのプロパティは、裏側では非常に厳格なルールを持つYAMLという形式で保存されています。GUIで操作している分には安全ですが、コピペなどでテキストを直接触った時に、うっかりルールを破ってしまうことがあります。

よくあるエラーの原因と修正ポイント

  • コロンの後のスペース不足: key:valueのように詰めて書くのはNGです。必ずkey: valueのように半角スペースが必要です。
  • インデントのズレ: YAMLはインデント(字下げ)で階層を表現します。スペースの数が揃っていないとエラーになります。また、タブ文字(Tab)は使用禁止で、半角スペースを使う必要があります。
  • 禁則文字のエスケープ忘れ: 値の中に:(コロン)や#(ハッシュ)などの特殊文字を含める場合は、全体を" "(引用符)で囲む必要があります。

もしプロパティが表示されなくなったら、落ち着いてソースモードを確認し、文字の色がおかしくなっている箇所(エラー箇所は赤くなることが多いです)を探してください。また、「Linter」というプラグインを導入しておくと、保存時にこれらの軽微なフォーマットエラーを自動修復してくれるため、転ばぬ先の杖として非常におすすめです。

Obsidianプロパティによる高度な活用術

基本的な入力や設定に慣れてきたら、次は蓄積したデータを「活用」するフェーズに入りましょう。プロパティに入力された情報は、単なるメモ書き以上の価値を持ちます。ここからは、検索機能やプラグインを駆使して、Obsidianを本格的なデータベースとして使い倒すためのテクニックを紹介します。

プロパティを対象に検索する検索構文

Obsidianの標準検索機能は非常に強力で、実はプロパティの中身だけをピンポイントで狙い撃ちして検索する専用の構文が用意されています。「全文検索だと関係ないノートまでヒットしすぎて困る」という方は、この構文を覚えるだけで検索効率が劇的に向上します。

基本構文: [key:value]

例えば、「ステータス(status)」プロパティが「完了(done)」になっているノートだけを探したい場合、検索ボックスに以下のように入力します。

[status:done]

これだけで、本文中に「done」という単語が含まれているだけのノートは除外され、メタデータとして明確に完了済みと定義されたノートだけが抽出されます。これはプロジェクト管理やタスク管理において絶大な威力を発揮します。

応用的な検索パターン

さらに、演算子を組み合わせることで、より複雑な条件でのフィルタリングも可能です。

  • 否定検索(-): -[status:archive] ステータスが「archive(アーカイブ)」になっていないノート、つまり現役のノートだけを表示します。
  • 存在確認(値なし): [tag:] 値の部分を空にすると、「tagプロパティが設定されている(空ではない)すべてのノート」を検索できます。「タグ付けし忘れたノートを探す」といったメンテナンス作業に使えます。
  • 部分一致(括弧): [title:(Obsidian OR Note)] タイトルプロパティに「Obsidian」または「Note」を含むものを検索します。

また、これらの検索条件は「埋め込みクエリ(Embedded Query)」としてノート内に保存することもできます。```queryというコードブロックの中に検索条件を書くだけで、常に最新の検索結果を表示する「動的なリスト」をノート内に作ることができるのです。

Dataviewと連携して表示する

Obsidianをデータベース化する上で欠かせないのが、コミュニティプラグイン「Dataview」との連携です。プロパティ機能が登場する前は、独自の記述ルールでデータを定義する必要がありましたが、現在はObsidian標準のプロパティがそのままDataviewのデータソースとして利用できるようになりました。

プロパティに入力したデータは、Dataview側では「Implicit Fields(暗黙的なフィールド)」として自動的に認識されます。これにより、SQLのようなクエリ言語を使って、自分のノートから自由自在にデータを抽出し、表やリストを作成できます。

実用例:読書管理データベースの構築

例えば、各読書ノートに以下のプロパティを設定しているとします。

  • author (リスト型): 著者名
  • rating (数値型): 5段階評価
  • finished_date (日付型): 読了日

この状態で、以下のようなDataviewクエリを記述すると、「評価4以上の本を、評価が高い順にリストアップする」という動的なテーブルが一瞬で生成されます。

TABLE author, rating, finished_date FROM "Books" WHERE rating >= 4 SORT rating DESC 

以前はテキストデータとして「★4」などと書いていたため、数値としての大小比較ができず、ソートやフィルタリングに苦労していました。しかし、プロパティで「数値型(Number)」として定義することで、>= 4のような数学的な条件指定が正確に機能するようになります。これが構造化データの強みです。

リスト型の展開(FLATTEN)

また、共著などでauthorプロパティに複数の著者がリストとして登録されている場合、DataviewのFLATTENコマンドを使うことで、データを「展開」できます。これにより、「著者ごとの執筆本リスト」を逆引きで生成することも可能になり、情報の多角的な視覚化が実現します。

テンプレートで入力を自動化する

プロパティ機能は便利ですが、ノートを作るたびにマウスでポチポチとプロパティを追加し、値を入力していくのは正直面倒ですよね。この「入力コスト」が原因で、運用が続かなくなってしまうのは非常にもったいないことです。そこで、TemplaterやQuickAddといったプラグインを使って、入力を自動化しましょう。

作成日の自動入力

最も基本的な自動化は、ノート作成時の日付入力です。Templaterプラグインを使用し、テンプレートファイルのプロパティ欄に以下のようなコードを仕込んでおきます。

Templaterコード例

created: <% tp.file.creation_date("YYYY-MM-DD HH:mm") %>

こうしておくだけで、テンプレートを適用した瞬間に現在日時がテキストとして確定され、プロパティに入力されます。ファイルシステムの作成日(OSのファイル情報)はファイルを移動したりコピーしたりすると変わってしまうことがありますが、プロパティとして書き込んでしまえば、その情報は永続的に保持されます。

選択肢の提示(Suggester)

さらに高度な使い方として、ノート作成時に「このノートの種類は何ですか?」とポップアップメニューで尋ねて、選択結果に応じてプロパティを自動設定することも可能です。例えば、「日誌」「議事録」「アイデア」という選択肢を表示し、「議事録」を選んだ時だけattendees(出席者)というプロパティを追加する、といった動的な制御ができます。これにより、入力の手間を減らすだけでなく、必須項目の入力漏れを防ぐ効果も期待できます。

複数のノートを一括変更するテクニック

Obsidianを長く使っていると、「過去に作った100個のノートのプロパティ名を変更したい」というリファクタリング(構造の再設計)の必要性が必ず出てきます。しかし、残念ながら現時点のObsidian標準機能には、複数のノートのプロパティを一括置換する「Bulk Edit」機能が搭載されていません。

一つずつファイルを開いて修正するのは現実的ではないため、いくつかの代替手段を知っておく必要があります。

1. Tag Wrangler(タグのみ)

タグのリネームだけであれば、コミュニティプラグインの「Tag Wrangler」が最強です。タグペインから右クリックで名前を変更するだけで、プロパティ内のタグも含めて全ファイルのタグを一括置換してくれます。

2. 外部エディタによる一括置換(上級者向け)

プロパティ名(キー)や特定の値を変更したい場合、私はVS Code(Visual Studio Code)などの高機能テキストエディタを使用しています。ObsidianのVaultフォルダをVS Codeで開き、「フォルダ全体を検索・置換」機能を使用します。

例えば、author:というプロパティ名をwriter:に変更したい場合、正規表現などを用いて一括置換を行います。ただし、これは非常に強力な操作であり、書き方を間違えると数千個のファイルのデータが一瞬で壊れてしまうリスクがあります。

一括置換を行う際の鉄則

外部エディタで一括操作を行う前には、必ずVault全体のバックアップ(Zip圧縮やGitコミット)を取ってください。取り返しのつかないミスを防ぐための唯一の命綱です。

Obsidianプロパティで知識を資産化する

最後に、少し視点を広げて「ナレッジマネジメント」と「SEO」の観点から、プロパティ機能の重要性についてお話しします。

私たちがプロパティに入力しているデータは、Webの世界で言う「構造化データ(Schema.org)」と非常に概念が近いです。Googleなどの検索エンジンは、文章の内容だけでなく、タイトル、公開日、著者、カテゴリといったメタ情報を手掛かりにページの内容を理解しようとします。(出典:Google検索セントラル『構造化データの仕組みについて』)

Obsidianでプロパティをしっかり管理しておくということは、将来的に自分のノートをブログとして公開したり、ポートフォリオサイトに変換したりする際に、検索エンジンに好かれる高品質なコンテンツを即座に生成できる準備ができているということを意味します。テキストは単なる文章ですが、プロパティが付与されたテキストは「再利用可能なデータ」へと昇華されます。

今は自分だけのメモ書きかもしれませんが、プロパティという小さな規律を守りながらデータを蓄積していくことは、未来の自分の知的資産価値を高める確実な投資となるはずです。ぜひ、今日からプロパティ機能を活用して、あなただけの最強のナレッジベースを構築してみてください。

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