
仕事やプライベートでNotionを使っていると、ここにPDFを埋め込みしたいと思う場面は多いですよね。会議の議事録に参考資料を添付したり、講義ノートに配布されたレジュメを貼り付けたり、あるいは自炊した書籍データを管理したりと、用途は無限大です。
でも実際にやってみると、うまく表示されないことや貼り付けの方法がわからなくて困ってしまうこともあるかもしれません。特に無料プランを使っていると「ファイルサイズが大きすぎて埋め込みできない」というエラーに直面することも多く、エクスポートや変換の方法も含めて悩みどころは尽きません。またスマホだとページ数が多いPDFが見にくいと感じたり、ダウンロードの方法が直感的にわからなかったりすることもあるでしょう。この記事では、そんなNotionへのPDF埋め込みに関するあらゆる疑問を解決し、さらに一歩進んだ活用術まで徹底的に解説していきます。
- NotionページにPDFを埋め込んでプレビュー表示させる基本手順と応用設定
- PDFが表示されない、埋め込みできないといったトラブルの具体的な原因と解決策
- 無料プランでも容量制限を気にせず大容量PDFを扱うための裏技的テクニック
- スマホでの閲覧やダウンロード、ページ全体をきれいにPDF変換する設定のコツ
NotionにPDFを埋め込む基本手順と無料プラン
まずは基本中の基本、NotionにPDFファイルを埋め込んで中身を表示させる方法から解説していきます。実はとてもシンプルな操作でできるのですが、単に貼り付けるだけでなく、見やすくレイアウトするための調整や、無料プランならではの注意点もあるので、そこもしっかり押さえておきましょう。これを知っているだけで、ページの仕上がりがぐっとプロっぽくなりますよ。
NotionでPDFを貼り付けて表示する方法
NotionにPDFを埋め込む方法は、実は一つだけではありません。状況に合わせて使い分けることで、より快適に閲覧できるようになります。ここでは最も一般的で確実な、コマンドを使った埋め込み方法と、直感的なドラッグ&ドロップによる方法、そしてそれぞれの表示の違いについて詳しく見ていきましょう。
1. コマンドを使って確実に埋め込む方法
キーボード操作だけで完結する、Notionらしいスマートな方法です。マウスを使わずに素早く作業したい方におすすめです。
- Notionページ内のPDFを置きたい場所をクリックし、カーソルを点滅させます。
- キーボードで「/(スラッシュ)」キーを押し、コマンドメニューを呼び出します。
- 続けて「pdf」と入力すると、候補に「PDF」が出てくるのでEnterキーを押します。(「file」と入力して「ファイル」を選んでもOKです)
- ファイル選択のウィンドウが表示されるので、「アップロード」タブからPC内にある埋め込みたいPDFファイルを選択します。
これだけで、ページ内にPDFのプレビュー画面(埋め込みブロック)が表示されます。この方法のメリットは、最初から「埋め込み形式」として認識されるため、後述する表示トラブルが起きにくい点です。
2. ドラッグ&ドロップで直感的に貼り付ける方法
PCのフォルダから直接ファイルを放り込む方法です。複数のPDFをまとめてアップロードしたい時などに便利です。
- PCのフォルダを開き、追加したいPDFファイルをクリックしたまま掴みます。
- Notionのページの置きたい場所までドラッグして、指を離します。
ここで一つ注意点があります。ドラッグ&ドロップした場合、Notionの環境によってはプレビューが表示されず、単なる「ファイル名とアイコンのリンク」として貼り付けられることがあります。中身を表示させたい場合は、そのブロックの左側にある「⋮⋮(ブロックメニュー)」をクリックし、「埋め込みに変換(Turn into Embed)」を選択してください。これでプレビュー表示に切り替わります。
3. 見やすくするための調整テクニック
埋め込んだ直後のPDFは、サイズが小さかったりバランスが悪かったりすることがあります。以下の調整を行うと、閲覧性が格段に向上します。
| 調整項目 | 操作方法と効果 |
|---|---|
| サイズ変更 | 埋め込みブロックの端(黒いバー)をマウスでドラッグすることで、高さを調整できます。縦に長い資料の場合は、少し高さを広げておくとスクロールの手間が減ります。 |
| 全幅表示 | ブロックメニュー等の設定ではなく、ページ自体の設定で「左右の余白を縮小」や、PDFブロック自体をドラッグしてカラム分けを解除することで、横幅いっぱいに大きく表示できます。図面や細かい表を含むPDFに最適です。 |
| キャプション追加 | 埋め込みブロックの下部に説明文(キャプション)を追加できます。「2025年度予算案」「P.5参照」などのメモを残しておくと、閲覧者にとって親切です。 |
NotionでPDF埋め込みできない原因と対処法
「手順通りやったのに、エラーが出て埋め込みできない!」「アップロードが途中で止まってしまう…」というトラブルは、Notion初心者の方が最初につまずくポイントの一つです。原因の9割はファイルサイズに関連するものですが、それ以外にも意外な落とし穴があります。ここでは具体的な原因と対処法を深掘りします。
原因1:ファイルサイズが5MBを超えている(無料プラン)
これが最も多い原因です。Notionの無料プラン(フリープラン)では、1ファイルあたり5MBまでというアップロード制限が設けられています。最近のスキャナーで取り込んだPDFや、高解像度の写真が貼られたプレゼン資料などは、簡単に5MBを超えてしまいます。
アップロードしようとすると、「ファイルが大きすぎます」といった旨のエラーメッセージが表示されます。この場合の対処法は大きく分けて3つです。
- PDFを圧縮する:これが一番手っ取り早い方法です。後述する圧縮ツールを使ってサイズを小さくします。
- ファイルを分割する:例えば100ページの資料なら、50ページずつ2つのファイルに分割すれば、それぞれのサイズは半分になります。
- 有料プランを検討する:有料プラン(Plusプラン以上)にアップグレードすれば、このファイルサイズ制限は事実上なくなります(数GBまでOK)。業務で日常的に大きなファイルを扱うなら、時間効率を考えてプラン変更するのも一つの正解です。
原因2:ファイル名に特殊文字が含まれている
意外と見落としがちなのがファイル名です。PDFのファイル名に、機種依存文字や特殊な記号(スラッシュ / やクエスチョン ? など)が含まれていると、アップロード処理や埋め込み表示の際にエラーを起こすことがあります。シンプルに半角英数字や一般的な日本語のみの名前にリネーム(名前変更)してから、再度アップロードを試してみてください。
原因3:ネットワーク環境が不安定
PDFの埋め込み処理は、①ファイルをサーバーにアップロードする、②サーバー側でプレビュー画像を生成する、という2段階で行われます。特に②の処理中に通信が途切れると、「処理中...」のまま固まったり、壊れた画像のアイコンになったりします。Wi-Fi環境の良い場所で再試行するか、ブラウザ版Notionを使っている場合はキャッシュをクリアしてからリロードしてみましょう。
NotionでPDFが表示されない時の確認事項
「アップロードは成功して枠は表示されているのに、中身が真っ白」「グレーの背景にエラーアイコンが出ている」といった、表示上の不具合に遭遇することもあります。これはNotion側の問題というよりは、ブラウザやPDFファイル側の設定に起因することが多いです。焦らず以下の項目を順番にチェックしてみてください。
1. サードパーティCookieの設定(ブラウザ版)
ChromeやSafariなどのブラウザでNotionを使っている場合、ブラウザのセキュリティ設定で「サードパーティCookie」をブロックしていると、埋め込みコンテンツが正しく表示されないことがあります。Notionのドメインを許可リストに入れるか、一時的にブロックを解除して表示されるか確認してみてください。シークレットモードで試してみるのも有効な切り分け手段です。
2. PDF自体のセキュリティ保護
企業で作成されたPDFなどには、パスワード保護や編集制限、あるいは印刷禁止などのセキュリティ設定が施されていることがあります。NotionのPDFビューアーは、こうした強力な保護がかかったファイルを展開できない場合があります。ご自身で作成したファイルであれば、一度PDF作成ソフトでセキュリティ設定を「なし」にして保存し直し、再度アップロードしてみてください。
3. 外部リンクの公開設定ミス
GoogleドライブやDropboxなどの外部ストレージにあるPDFをリンク埋め込みしている場合、Notion上で「アクセス権限がありません」と表示されるケースが多発します。これはNotionにログインしているアカウントと、クラウドストレージのアカウントが連携できていない、もしくはファイルの共有設定が「非公開」になっているためです。
解決策 リンク元のサービス(Googleドライブ等)側で、ファイルの共有設定を「リンクを知っている全員が閲覧可」に変更してください。特定のユーザーのみに限定していると、Notionのプレビュー機能がファイルの中身を取得できず、表示されません。
Notionで埋め込んだPDFをダウンロードする手順
Notionに埋め込まれたPDFは、画面上で読むだけでなく、元のファイルとしてダウンロードしてPCやスマホに保存することも可能です。共有された資料をオフラインで読みたい時や、別のアプリで編集したい時に役立ちます。ただし、ダウンロードボタンの位置が少し分かりにくいので、具体的な手順を解説します。
PCでのダウンロード手順
- Notionページ上の、埋め込まれているPDFブロックにマウスカーソルを合わせます。
- ブロックの右上に、いくつかのアイコンが表示されます。その中にある「…(3点リーダー)」をクリックするか、あるいは下向き矢印の「ダウンロードアイコン」があればそれを直接クリックします。
- メニューが開いた場合は、その中から「ダウンロード(Download)」を選択します。
- ブラウザのダウンロード機能が働き、元のPDFファイルがそのまま保存されます。
注意点として、Notion上のPDFは「閲覧のみ許可してダウンロードは禁止する」といった細かい制御ができません。ページを閲覧できる権限を持っているユーザーであれば、誰でも元のPDFファイルをダウンロード可能です。機密性の高い資料を扱う際は、ページ自体の共有範囲を慎重に設定する必要があります。
スマホアプリでのダウンロード手順
スマホの場合は操作が異なります。埋め込まれているPDFをタップすると、まず全画面のプレビューモード(または外部ブラウザ)が開きます。その画面にある「共有ボタン(四角から矢印が出ているアイコン)」などをタップし、「ファイルに保存」や「ドライブに保存」などを選ぶことで端末内にダウンロードできます。
NotionでのPDFページ数確認とプレビュー操作
Notion上に埋め込まれたPDFは、わざわざダウンロードしなくてもその場でページをめくって読むことができます。しかし、PowerPointのスライド資料のようにページ数が多い場合、今どこを読んでいるのか分からなくなったり、文字が小さくて読みにくかったりすることもあります。快適に閲覧するための操作テクニックを紹介します。
ページめくりとページ数の確認
埋め込みブロックの上にマウスを乗せると、ブロックの下部(または上部)にグレーのツールバーが浮き上がって表示されます。ここには以下のような情報と機能が含まれています。
- ページ番号:「3 / 25」のように、現在のページと総ページ数が表示されます。
- ページ送りボタン:矢印ボタンをクリックすることで、前後のページに移動できます。
- ズーム機能:「+」「ー」ボタンで、表示倍率を変更できます。細かい文字の資料を読むときに必須です。
もしツールバーが表示されない場合は、埋め込みブロックのサイズが小さすぎる可能性があります。ブロックの下端をドラッグして、高さを広げてみてください。
「元のファイル」を開いて読む
Notionの埋め込み画面だとどうしても動作が重かったり、画面が狭くて読みづらかったりする場合は、ブロックの右上にある「元のファイルを表示(Original)」ボタン(またはファイル名リンク)をクリックしましょう。すると、ブラウザの新しいタブでそのPDFが直接開きます。ブラウザ標準のPDFビューアーなら動作も軽く、検索機能(Ctrl+F)も使えるので、長文の資料を精読する際は断然こちらがおすすめです。
NotionへのPDF埋め込み活用と変換テクニック
基本操作をマスターしたら、次はもう少し踏み込んだ活用テクニックを見ていきましょう。NotionページそのものをきれいにPDF化して出力する方法や、Googleドライブとの連携、そしてスマホでの使い勝手を向上させる工夫など、知っていると業務効率が格段にアップするテクニックばかりです。
NotionページをPDFに変換して出力する方法
これまでは「PDFをNotionに入れる」話でしたが、逆のパターンとして「Notionで作ったページをPDFとして書き出したい」という場面もビジネスでは頻繁にあります。議事録やマニュアル、提案書をNotionで作成し、それをPDF形式で顧客に提出するといったケースです。Notionのエクスポート機能を使えば可能ですが、きれいに出力するには少しコツがいります。
きれいなPDFを書き出す設定手順
- PDF化したいページの右上にある「…(その他メニュー)」をクリックします。
- メニューの下の方にある「エクスポート(Export)」を選択します。
- エクスポート設定画面が出るので、「エクスポート形式」を「PDF」にします。
- ここが重要です。「用紙サイズ」は「A4」を選び、「ページの倍率(Scale)」を調整します。デフォルトの100%だと文字が大きく間延びしてしまうことが多いので、「50%〜70%」程度に縮小設定すると、情報がギュッと詰まって見やすいPDFになります。
- 「エクスポート」ボタンを押すとPDF生成が始まり、完了するとダウンロードされます。
この機能を使えば、Notionでデータベースとして管理している情報を、そのまま美しい帳票やレポートとして出力することも可能です。ただし、横に長いデータベース(テーブルビュー)などはPDFの幅に収まりきらず見切れてしまうことがあります。その場合は、事前にNotion上でビューを「リスト」や「ギャラリー」に変えておくか、エクスポート時の倍率をさらに下げるなどの調整が必要です。
GoogleドライブのPDFをNotionへ埋め込み
先ほど「無料プランの5MB制限」の話をしましたが、それを回避する最強の裏技であり、現代的なドキュメント管理の最適解とも言えるのが、クラウドストレージとの連携です。Googleドライブ(やDropbox、OneDrive)に保存してあるPDFを、Notionに埋め込む手順とメリットを紹介します。
手順とメリット
- Googleドライブ上で対象のPDFを右クリックし、「リンクを取得」を選びます。
- 【最重要】リンクの共有範囲を「制限付き」から「リンクを知っている全員」に変更します。これをしないとNotion側で表示されません。
- コピーしたリンクをNotionページに貼り付けます。
- 貼り付け時のメニューで「埋め込みを作成(Create embed)」を選択します。
この方法の最大のメリットは、「Notionの容量を使わない」ことと「常に最新版が表示される」ことです。ファイルの実体はGoogleドライブにあるため、例えばPDFの中身を修正してドライブ上で上書き保存すれば、Notion側の表示も自動的に最新版に切り替わります(リロードが必要な場合もあります)。「あの資料、修正したから貼り直しておいて」という手間が一切なくなるのです。
スマホでNotionのPDFが見にくい時の対策
PCの大画面では快適なNotionですが、スマホアプリで見るとPDFの埋め込みが小さすぎて文字が全く読めない…という経験はありませんか?スマホの画面幅に合わせてギュッと縮小されてしまうため、これは仕様上仕方ない部分でもあります。しかし、運用方法でカバーすることは可能です。
「埋め込み」ではなく「ファイル」として置く
スマホでの閲覧がメインとなるページでは、あえて「埋め込み表示(Embed)」を使わず、「ファイル(File)」ブロックとして貼り付けるのが正解です。こうすると、ページ上にはファイル名とアイコンだけが表示されます。
ユーザーがこれをタップすると、スマホのOS標準の全画面PDFビューアーが起動します。小さな枠の中で無理やり読むよりも、全画面でピンチイン・ピンチアウトしながら読む方が圧倒的に快適です。PCユーザー向けには埋め込み、スマホユーザー向けにはファイルリンク、と両方置いておくのも親切な設計と言えるでしょう。
テキスト情報を併記する
PDFの中身を開かなくても概要がわかるよう、要点や結論をNotionのテキストブロックとして書き出しておくのも有効です。最近では「Notion AI」などのOCR機能を使って、PDF内のテキストを抽出・要約させることも容易になりました。移動中の忙しいメンバーのために、サマリーを載せておく気遣いができると素晴らしいですね。
無料プランでのPDF容量制限と圧縮のコツ
無料プランを使い倒すためには、やはり「5MB」の壁とうまく付き合うテクニックが欠かせません。画質をできるだけ落とさずに、ファイルサイズだけを劇的に軽くする方法をいくつか紹介します。
オンライン圧縮ツールの活用
Adobe Acrobatの公式オンラインツールなどが無料で利用できます。これらはPDFの無駄なデータを削除し、視認性を保ったままサイズを1/10程度まで圧縮してくれることもあります。「Adobe Acrobat オンラインツール」などで検索するとすぐに見つかります。
参考情報 Notionの各プランにおける具体的なファイルアップロード制限については、公式サイトのヘルプページも参照してください。 (出典:Notion公式サイト『料金プラン』)
自炊データの軽量化テクニック
紙の資料をスキャンしたデータは非常に重くなりがちです。これらを軽くするには、以下の処理が有効です。
- OCR(文字認識)処理をかける:画像データがテキストデータに置き換わる部分ができ、軽くなることがあります。
- グレースケール(白黒)に変換する:カラー情報がなくなるだけで、ファイルサイズは劇的に減ります。契約書や論文など、色が重要でない文書は迷わず白黒にしてしまいましょう。
- 不要なページを削除する:白紙ページや表紙など、Notion上での閲覧に不要なページを削除してからアップロードします。
NotionへのPDF埋め込みで業務効率化を実現
NotionにPDFを埋め込むことは、単にファイルを保存場所として使う以上の価値があります。それは「情報のコンテキスト(文脈)化」です。
従来のフォルダ管理では、ファイルを開かないと中身が分からず、そのファイルが「何のプロジェクトの」「どの工程で」必要なものかが見えにくい状態でした。しかしNotionなら、プロジェクトの進行表のすぐ横に仕様書のPDFを貼り、その下に議事録のPDFを並べることができます。関連する情報が一箇所に集約され、探す時間がゼロになるのです。
今回ご紹介したように、無料プランでも圧縮や外部リンクを駆使すれば制限を回避できますし、スマホ連携やエクスポート機能を組み合わせれば、自分だけの強力な情報データベースが構築できます。ぜひ今日から、散らばっているPDF資料をNotionに集約して、情報の整理整頓を始めてみてください。きっと業務効率が目に見えて向上し、仕事のスピードが変わるのを実感できるはずですよ。