
Notionを使っていると、タスクやドキュメントの整理だけでなく、アイデア出しや思考の整理も同じ場所で完結させたいと思うことってありますよね。Notionは情報をリスト形式や表形式(データベース)で整理するのは得意ですが、放射状にアイデアを広げていく「マインドマップ」のようなビジュアル思考は少し苦手分野です。そのため、「Notion マインドマップ」と検索して解決策を探している方も多いのではないでしょうか。
実はNotion自体には専用の作図機能はありませんが、いくつかの方法を組み合わせることで、マインドマップをNotion上で実現することは十分に可能です。「Mermaid(マーメイド)」という記法を使ってコードベースで描画する方法、Notion AIを活用して一瞬で自動生成する方法、あるいはMiroなどの外部ツールを埋め込む方法など、選択肢は多岐にわたります。この記事では、それぞれの方法の具体的な手順から、メリット・デメリット、そして私が実践している「思考フェーズに合わせた使い分け」までを徹底的に解説していきます。
- Mermaid記法を使ってNotion内で直接マインドマップを書く手順がわかる
- NotionAIや外部ツールを活用して効率的に思考を視覚化する方法を知れる
- スマホアプリでの閲覧や編集に関する注意点と対策が理解できる
- 自分の用途に合った最適なマインドマップツールの選び方が身につく
Notionでマインドマップを作成する主な方法

「Notionでマインドマップを作りたい!」と思ったとき、実はアプローチは一つではありません。エンジニアライクにコードを書いてサクッと作る方法から、デザイン性の高い外部ホワイトボードツールを埋め込んでリッチに見せる方法まで、いくつかのルートがあります。それぞれの特徴を知ることで、今の自分のタスクや好みに合った最適なやり方が見つかるはずです。
Mermaid記法を使った基本的な書き方

まず最初に紹介したいのが、Notionの標準機能だけで完結する「Mermaid(マーメイド)記法」を使った方法です。「コードを書く」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、プログラミングの知識は全く必要ありません。Notionが公式にサポートしている機能で、慣れるとキーボード操作だけで爆速で作図できるようになります。
やり方は非常にシンプルです。Notionのページ上で/codeと入力してコードブロックを呼び出し、左上の言語選択プルダウンから「Mermaid」を選びます。あとは、ブロックの中に以下のようなルールでテキストを入力するだけです。
mindmap root((中心テーマ)) アイデア1 詳細A 詳細B アイデア2 詳細C 詳細D
たったこれだけで、Notionが自動的にテキストを解析し、きれいなマインドマップとして描画してくれます。マウスを使って線を引いたり、箱をドラッグ&ドロップで配置したりする必要が一切ないので、思考の流れを止めずにキーボードだけでガリガリ書き出せるのが最大のメリットです。また、テキストデータなので修正も簡単で、過去の変更履歴もNotionの機能で追うことができます。
(出典:Mermaid公式ドキュメント『Mindmap Syntax』)
Notion AIで構成図を自動生成する

「自分でコードを書くのも面倒…」「そもそもゼロからアイデアを出すのがしんどい」という方には、Notion AI(有料のアドオン機能)を使った自動生成がおすすめです。これが本当に魔法みたいで、一度使うと手放せなくなります。
例えば、AIに対して以下のようなプロンプト(指示)を投げかけます。
「『新規モバイルアプリのローンチ計画』というテーマでマインドマップを作ってください。開発、マーケティング、デザインの3つの視点で分解し、Mermaid記法で出力してください。」
すると、AIがそのテーマに関連する要素を勝手に分解・構造化し、適切な階層構造を持ったMermaidコードを生成してくれます。ユーザーはそのコードをコピーして、Mermaidブロックに貼り付けるだけ。ものの数秒で、それっぽいマインドマップが完成します。
【AIプロンプトのコツ】 ただ「作って」と言うよりも、「〇〇という視点で分解して」「重要な要素には強調記号を使って」といった具体的な指示(構造化プロンプト)を出すと、より実用的で精度の高いマップが一瞬で完成します。これをブレインストーミングの「たたき台」にすることで、白紙の状態から悩み始める時間をゼロにできます。
Miroなどの外部ツールを埋め込み連携

もっと自由度が高く、ビジュアル重視のマインドマップを作りたいなら、MiroやWhimsical、XMindといった専用のホワイトボードツールを「埋め込む(Embed)」のが正解です。Mermaidは自動レイアウトなので形の調整ができませんが、これらのツールなら自由自在です。
これらのツールは、付箋を貼ったり、手書きでイラストを加えたり、画像を貼り付けたりと、無限のキャンバスとして使えます。連携方法はシンプルで、外部ツール側で「共有リンク」をコピーし、Notionのページに貼り付けて「埋め込みを作成(Create embed)」を選ぶだけ。すると、Notionのページ内で直接ズームしたり、パン(移動)したりできるインタラクティブなウィンドウが表示されます。
特に「Whimsical」はNotionと操作感やデザインの親和性が高く、まるで純正機能かのように馴染むのでおすすめです。ただし、多くのツールで無料プランだと作成できるボード数に制限がある(例:Miroは3つまで)ため、本格的にNotionの各ページで使いまくるなら、ツールの有料プラン契約も視野に入れる必要があります。
ブラウザ拡張機能やプラグインの活用

主にPCのWebブラウザ(ChromeやEdge)でNotionを使っている人向けですが、「Notion-Mind」のようなブラウザ拡張機能を使う手もあります。これらは、Notionのページ内にある「箇条書きリスト(Bulleted List)」を読み取って、別ウィンドウやオーバーレイ表示でマインドマップ化してくれるツールです。
この方法のメリットは、データを外部にエクスポートしたり、別のツールにコピー&ペーストしたりする必要がない点です。今見ているページの内容を、ボタン一つで視覚化できます。ただし、あくまでブラウザ上の機能なので、スマホアプリやデスクトップアプリでは使えないという弱点もあります。「PCでの作業がメインで、手軽に構造を確認したい」という方には、強力な選択肢になるでしょう。
MarkdownをMarkmapで変換する

エンジニアの方や、Markdown記法に慣れている方におすすめなのが「Markmap」というツールとの連携です。これはMarkdownのテキストをSVG形式のマインドマップに変換してくれるオープンソースのライブラリです。
手順としては、まずNotionのページを「Markdown & CSV」形式でエクスポートします。そして、その.mdファイルをMarkmapのオンラインエディタや、VS Codeの拡張機能に読み込ませます。すると、見出しやリスト構造が解析され、インタラクティブなマインドマップとして展開されます。
この方法は少し手間がかかりますが、Gitでドキュメント管理をしている場合など、テキストベースで情報を管理しつつ、必要な時だけ図解したいという層には非常に親和性が高いワークフローです。
Notionのマインドマップを業務で活用する

作り方がわかったところで、次は「どう実務に活かすか」です。単にきれいな絵を描くだけでは意味がありません。データベースと連携させたり、チームで共有したりすることで、Notionのマインドマップは真価を発揮します。ここでは、私が実際に業務で使っている選定基準や、注意すべきポイントを深掘りしていきましょう。
目的に合わせたおすすめツールの選び方

結局どの方法を選べばいいの?と迷ってしまう方のために、目的やフェーズ別の選び方をマトリクス的に整理してみました。
| 目的・フェーズ | おすすめの方法 | 理由・メリット |
|---|---|---|
| アイデア出し(発散) | Miro / Whimsical | キャンバスが無限で自由度が高く、思考を妨げない。付箋や画像も自由に貼れる。 |
| 仕様書の整理(収束) | Mermaid + Notion AI | テキストデータとしてNotion内に保存されるため、後から検索可能。版管理もしやすい。 |
| タスク・PJの俯瞰 | Mindmap.so | Notionデータベースと直接連携し、タスクの親子関係を可視化できる。 |
私は普段、最初のブレインストーミングにはMiroを使い、ある程度方針が固まって決定事項をドキュメントに残す段階になったら、Mermaidで清書してページ内に埋め込む、という「ハイブリッド運用」をしています。これなら、思考の自由度と情報の検索性を両立できます。
データベース情報を視覚化する裏技

Notionの強力なデータベース機能(タスク管理やプロジェクト管理)を、そのままマインドマップのように見たい!というニーズもありますよね。「Mindmap.so」のようなサードパーティ製連携サービスを使うと、これが実現できます。
これらのツールはNotionのAPIを利用してデータベースを読み込み、親タスクと子タスク(Sub-items)の関係性を解析して、自動でツリー状のマインドマップに展開してくれます。さらに凄いのが、マップ上のノードをクリックすると、Notionのページ内容がサイドパネル(Side-peek)で開く機能です。
全体像(マップ)を俯瞰しながら、詳細(ページの中身)を書き込めるので、大規模なプロジェクト管理や、知識ベースの構築において、効率が劇的に上がります。ただし、外部サービスにNotionのデータを読み込ませることになるので、企業のセキュリティポリシーなどは事前に確認が必要です。
スマホアプリでの閲覧と編集の注意点
移動中にスマホでアイデアを確認したい場面も多いですが、ここで少し注意が必要です。PC版やブラウザ版では綺麗に表示されるMermaidの図が、Notionのスマホアプリ(iOS/Android)だとうまく描画されずコードのまま表示されたり、レイアウトが崩れて見切れたりすることがあります。
【モバイル利用のリアル】 正直なところ、現在のスマホ版NotionでのMermaid編集はおすすめしません。コードを直接いじることになるので操作性が悪く、ミスもしやすいです。「スマホは閲覧専用(もしくはテキストメモのみ)」と割り切り、本格的な作図や編集はPCで行うのが、ストレスを溜めない運用のコツかなと思います。
無料プランで利用する際の制限とコスト
最後にコスト面についても触れておきましょう。NotionのMermaid機能自体は、Notionの無料プラン(フリープラン)でも制限なく使い放題です。ただし、先ほど紹介したNotion AIによる自動生成機能を利用するには、別途有料のアドオン契約(月額10ドル程度)が必要です。
また、MiroやWhimsicalなどの外部ツールを埋め込む場合、Notion側にお金はかかりませんが、外部ツール側で「無料プランだと作成できるボード数が3つまで」といった制限があることが一般的です。「まずは無料で試したい」という場合は、まずは追加コストゼロのMermaid記法から始めるのが一番リスクがありません。もし機能不足や表現力の限界を感じたら、その時に初めて有料ツールの導入を検討すれば十分だと思います。
Notionのマインドマップで思考を整理
Notionでマインドマップを活用することは、単にきれいな図を描くこと以上の意味があります。それは、「発想(右脳的なアナログ思考)」と「管理(左脳的なデジタル構造)」を一つの場所に統合するということです。
これまでは「ノートに手書きしてアイデアを出し、それを後でPCに打ち込んで清書する」という断絶がありましたが、Notion上で完結させることで、その手間とタイムラグがなくなります。今回紹介した方法の中から、ぜひ自分に合いそうなものを一つ試してみてください。頭の中のごちゃごちゃしたアイデアが、スッキリと構造化されていく快感を、きっと味わえるはずです。