
会議のたびに増えていく議事録の管理に頭を悩ませていませんか?WordやExcel、あるいはチャットツールで議事録を共有していると、いざ過去の情報を探そうとした時に「あのファイルどこだっけ?」と迷子になったり、せっかく決まったタスクが他の情報の流れに埋もれて忘れ去られたりしてしまいます。これでは会議の意味が半減してしまいますよね。
Notionを使えば、これらの悩みを一気に解決できます。Notionの「データベース機能」を活用することで、議事録を単なるテキストとしてだけでなく、日付、参加者、決定事項、関連プロジェクトといった属性(プロパティ)を持った「構造化されたデータ」として管理できるからです。さらに、毎回のアジェンダ作成を自動化するテンプレート機能や、長文の会議ログを一瞬で要約するAI機能など、業務効率を劇的に向上させる仕組みが満載です。この記事では、初心者の方でも今日からすぐに実践できるデータベースの設計方法から、カレンダー連携やタスク管理への応用といった上級テクニックまで、私が実際に運用して効果的だったノウハウを網羅的に解説していきます。
- Notionで議事録を管理するためのデータベース設計と最適なプロパティ設定がわかる
- 会議の種類(定例・1on1など)に合わせたテンプレートの作成方法と事例を知れる
- 繰り返し機能やNotion AIを活用して、準備と記録の工数を大幅に削減する方法が学べる
- Notionカレンダーやタスク管理DBと連携させ、会議とアクションを直結させるテクニックが身につく
Notionで議事録を管理するデータベース設計
議事録をNotionで管理する最大のメリットは、情報を「ストック(蓄積)」し、必要な時に即座に「検索・再利用」できる環境を作れることです。そのためには、最初にしっかりとした「データベースの器」を作っておくことが重要です。まずは、使いやすく拡張性の高い議事録データベースの基本設計から見ていきましょう。
Notionでの議事録の作り方とプロパティ

最初にやるべきことは、議事録を格納するための「データベース」を新規作成することです。ページ内の一部に作る「インライン」でも構いませんが、将来的に数が増えることを考えると、専用の「フルページデータベース」として作成することをおすすめします。タイトルは「議事録DB」や「Meeting Notes」などで良いでしょう。
データベースができたら、次に情報の検索性を左右する「プロパティ(属性)」を設定します。ここを適当にしてしまうと、後で「あの会議どこ?」となった時に探せなくなってしまいます。私が多くの企業やチームで導入して効果的だった推奨プロパティセットは以下の通りです。
| プロパティ名 | 種類(Type) | 設計意図と運用のポイント |
|---|---|---|
| 開催日時 | Date | 日付だけでなく「時間」も含めるのがコツです。これによりNotionカレンダー上で正確なスロットに表示されます。 |
| 参加者 | Person | テキスト入力ではなく「Person型」を使います。これにより、メンション通知が飛び、「自分が参加した会議」というフィルターが可能になります。 |
| 会議種別 | Select | 「定例」「1on1」「プロジェクトMTG」「緊急」などを選択肢として登録。表記揺れを防ぎ、フィルタリング精度を高めます。 |
| ステータス | Status | 「予定」「記録中」「確認待ち」「完了」を設定し、書きかけの放置を防ぎます。 |
| タグ | Multi-select | 会議のテーマ(例:UIデザイン、予算、採用)をタグ付けします。会議体を横断してトピックで検索したい時に便利です。 |
特に「会議種別」をSelectプロパティにしておくことは重要です。これにより、「ボードビュー」に切り替えた時に、会議の種類ごとにカードを並べて俯瞰したり、「定例会議だけのリスト」を一瞬で作ったりすることができるようになります。
活用できるNotion議事録テンプレート事例
会議のたびに白紙のページから「議題」「決定事項」…と手入力するのは非効率極まりないですよね。Notionには強力な「データベーステンプレート」機能があり、あらかじめ決まったフォーマットを登録しておくことができます。これにより、記入漏れを防ぎ、チーム全体で議事録の質を統一することができます。
私が推奨する、最も汎用性が高く使いやすい基本テンプレートの構成は以下の通りです。
📝 アジェンダ(議題)
- 事前にここに議題を箇条書きで追加してください。
- 時間配分も書いておくとスムーズです。
👉 決定事項(Decisions)
- 決まったことだけを簡潔に書く。
- 後からここだけ読めば結論がわかるように。
✅ ネクストアクション(Action Items)
- [ ] タスク内容 @担当者 日付(チェックボックスまたはタスクDBのリンクドビュー)
💬 メモ・議論のログ
- 詳細な会話内容やブレインストーミングの記録はこちらに。
データベースの右上の「新規」ボタンの横にある矢印から「+新規テンプレート」を選び、この構成を保存しておきましょう。次回からはワンクリックでこのフォーマットを呼び出せます。
目的別の議事録の書き方と項目設定

会議と一口に言っても、「朝会」と「経営会議」では求められる記録の粒度が全く違います。一つのテンプレートですべてをカバーしようとせず、会議の目的に応じてテンプレートを使い分けるのが運用を定着させるコツです。
朝会・クイックミーティング型
目的は情報共有のスピードです。項目はシンプルに「連絡事項」と「本日の予定」だけで十分。入力負荷を下げ、5分で終わる会議を妨げないようにします。
プロジェクト定例・詳細記録型
目的は進捗管理と課題解決です。「KPI進捗表(表埋め込み)」、「各担当からの報告」、「課題と対策」といったセクションを設け、会議に参加していない人でも状況が分かる詳細さが求められます。
1on1ミーティング型
目的は対話と成長支援です。業務進捗だけでなく、「Good & New(最近良かったこと)」や「健康状態・メンタル」、「キャリアの悩み」といった、対話を促進する項目を設けるのがおすすめです。
繰り返し機能で議事録作成を自動化する
「毎週月曜日の朝9時から定例会議」といった定期的な予定の議事録作成は、Notionの「繰り返し(Recurring)」機能を使って完全に自動化してしまいましょう。
テンプレートの編集画面で、作成したテンプレートの右横にある「…」メニューをクリックし、「繰り返し」の設定を行います。「毎週」「月曜日」「09:00」と設定すれば、その時間になるとNotionが勝手に新しい議事録ページを作成してくれます。「うっかり議事録のページを作り忘れた!」というミスがなくなり、会議開始と同時にスムーズに記録を始められます。
Notionカレンダーと議事録を連携する方法
2024年に登場した「Notionカレンダー」は、議事録管理の体験を一変させました。GoogleカレンダーとNotionデータベースを同期させることで、カレンダー上の「会議の予定」と、Notion上の「議事録ページ」を1対1で紐づけることができます。
設定を行うと、Notionカレンダー上の予定をクリックするだけで、右サイドバーに「議事録を作成」というボタンが現れます。これを押すと、紐づいたデータベースに新規ページが作成され、タイトルや日時、参加者情報が自動的に引き継がれます。会議直前に「議事録どこだっけ?」と探す時間がゼロになるので、導入しない手はありません。
Notionの議事録運用を自動化する応用テク
基本設計ができたら、さらに一歩進んだ活用法にチャレンジしてみましょう。最新のAI機能やオートメーション機能を活用することで、議事録作成にかかる工数を極限まで減らし、「記録」そのものではなく「議論」に集中できる環境を作ることができます。
Notion AIで議事録を自動生成・要約する
最近のNotion AIは本当に優秀で、議事録作成のアシスタントとして最強のパートナーになります。例えば、会議中に取ったラフな箇条書きのメモをAIブロックに読み込ませて、「きれいに要約して」「決定事項だけを抽出して」と指示するだけで、読みやすいビジネス文書に整形してくれます。
さらに、Notion AIには「AI Meeting Notes」という特化機能もあり、長文のトランスクリプト(文字起こしテキスト)から、自動的に「要約(Summary)」と「アクションアイテム(タスク)」を抜き出してくれます。これにより、「人間は議論に集中し、構造化と整理はAIがサポートする」という新しい会議スタイルが実現できます。
(出典:Notion公式ヘルプセンター『Notion AI』)
議事録とタスク管理をリレーションで繋ぐ
議事録の最大の目的の一つは「ネクストアクション(次に誰が何をするか)」を明確にすることです。しかし、議事録の中にテキストでタスクを書いておくだけでは、埋もれてしまい、実行されずに忘れ去られてしまうことがよくあります。
これを防ぐために、議事録データベースと「タスク管理データベース」をリレーション(関連付け)させましょう。そして、議事録テンプレートの中に、タスクデータベースの「リンクドビュー(Linked View)」を埋め込んでおきます。
こうすることで、会議中に発生したタスクをその場で登録でき、それが全社のタスクリストや、担当者の「マイタスク」画面にも即座に反映されます。また、タスク側からも「どの会議で決まったタスクか」をワンクリックで参照できるため、背景情報の共有も完璧になります。
ボタン機能で議事録の作業を効率化する

2023年に追加された「ボタン(Buttons)」機能を使うと、複雑な定型作業をワンクリックで実行できるようになります。議事録運用で特におすすめなのが「議事録セットアップボタン」です。
ページ内にボタンを設置し、クリックすると「今日の日付を自動入力」「参加者を自分に設定」「ステータスを『記録中』に変更」「アジェンダのひな形ブロックを挿入」といった一連の操作を一瞬で完了させるように設定します。これにより、会議開始時のモタつきを解消できます。
【未完了タスクの持ち越しボタン】 応用テクニックとして、「前回の会議で未完了だったタスクを表示する」ボタンを作っておくと、定例会議の冒頭で前回の宿題(積み残し)を確認するフローがスムーズになり、タスクの放置を防げます。
議事録が検索できない時の原因と対処法
「あれ、あの会議の議事録どこいった?」と検索しても出てこない時、いくつかの原因が考えられます。
- フィルタが解除されていない: 特定のビュー(例:「今月の会議」ビュー)でフィルタがかかったままだと、過去の議事録を検索しても表示されないことがあります。「すべての議事録」というフィルタなしのビューを作っておくのが解決策です。
- タイトルが不適切: 「定例」や日付だけのタイトルだと、検索候補に同じような名前が並んでしまい判別できません。「240501_UIデザイン定例」のように、「日付+会議名」の命名規則をチームで統一すると、検索性が劇的に向上します。
社外への議事録の共有や公開設定の手順

クライアントやパートナー企業と議事録を共有したい場合、NotionならPDF化してメールで送る必要はありません。ページの右上にある「共有(Share)」メニューから、相手のメールアドレスを入力して招待するだけです。
【権限設定に注意】 社外の人を招待する場合は、誤操作を防ぐために「フルアクセス」ではなく、「コメント可」や「読み取り専用」権限にするのが安全です。また、うっかり親データベース全体を共有してしまうと、他の無関係な議事録まで見えてしまうリスクがあります。必ず「その日の議事録ページ単体」での共有(ゲスト招待)を心がけましょう。
まとめ:Notionの議事録で生産性を高める
Notionで議事録を管理することは、単に会議の記録を残すだけでなく、組織の「記憶」を整理し、過去の知見を資産化して未来のアクションに繋げるための重要な投資です。データベース設計による検索性の向上、テンプレートによる標準化、そしてAIや自動化ツールによる工数削減を組み合わせることで、これまで面倒だった議事録作成業務が、チームの生産性を高める強力な武器に変わります。
最初から完璧なシステムを作る必要はありません。まずは簡単なテンプレートとデータベースから始めて、チームの運用に合わせて徐々に改善していってください。Notionはその柔軟な変化を受け入れてくれるツールです。