
仕事でNotionとSlackの両方を使っていると、「この2つのツールがもっと便利に連携できたらいいのに」と思うことはありませんか。Notionでせっかく議事録を作成してもSlackに通知が来ないためにチームメンバーが見逃してしまったり、逆に全ての更新通知を受け取る設定にしてしまったせいでSlackが通知で埋め尽くされてしまったりすることもあるかもしれません。
タスク管理の自動化やリンクのプレビュー表示のやり方、さらに最近話題の「Notion AIコネクター」機能など、知りたいことは山ほどあるはずです。この記事では、NotionとSlackの連携について、基本的な設定方法から明日から使える具体的な活用事例、そして「連携できない」「通知が来ない」といったトラブルの対処法までを徹底的に解説していきます。
- NotionとSlackを接続して、更新通知やタスク管理を自動化する基本手順
- Slackの会話から直接Notionへ情報をストックし、議事録やタスクを一元管理する方法
- データベースオートメーションを活用した、必要な情報だけを届ける高度な通知設定のコツ
- 連携できない、通知が来ないといったよくあるトラブルの原因と解決策
NotionとSlackの連携設定と基本機能
まずは、NotionとSlackを繋ぐための基本的な設定から始めましょう。「API連携」と聞くとエンジニア向けの難しい作業のように感じるかもしれませんが、実は数クリックで終わる非常に簡単な作業です。これを行うだけで、情報の行き来がスムーズになり、普段の業務フローが劇的に改善されますよ。
NotionとSlackを接続する設定方法
連携には「Notion側から繋ぐ」方法と「Slack側から繋ぐ」方法の2通りがありますが、機能をフル活用するためには基本的には両方の設定を行っておくのがベストです。まずはNotion側からの設定を見ていきましょう。
Notion側からの接続手順
Notionの左サイドバーにある「設定とメンバー」を開き、「マイコネクション(My connections)」のタブへ進みます。そこに「Slack」という項目があるので、右側の「接続(Connect)」ボタンをクリックしてください。するとブラウザでSlackの認証画面が開くので、連携させたいワークスペースを選んで「許可する」を押すだけです。これでNotionがSlackにアクセスできるようになります。
Slack側からの接続手順
次にSlack側ですが、Slackの左サイドバーにある「アプリ」セクション、または「アプリを追加する」からアプリディレクトリを開き、「Notion」を検索してインストールします。これをやっておくと、Slack上でNotionのリンクを貼った時にきれいなプレビューが表示されたり、専用のコマンドが使えるようになったりします。
企業利用での注意点 会社のSlackワークスペースを利用している場合、アプリのインストールに管理者の承認が必要なことがあります。「インストールできません」「承認待ちです」といった表示が出たら、情シス部門や管理者に「業務効率化のためにNotion連携をしたい」と相談してみてください。
SlackからNotionへタスクを追加
仕事中にSlackで「これやっておいて」「後で確認しておいて」と頼まれること、よくありますよね。その場では「はい!」と答えても、チャットの流れに埋もれてしまい、数時間後には忘れてしまう…なんて経験はありませんか?そんな時こそ連携機能の出番です。
コマンドで即座にタスク化
Slackのメッセージ入力欄に「/notion create」というコマンドを打ち込んでみてください。すると、Notionを開かずにその場でタスクを登録できるポップアップウィンドウが立ち上がります。タイトルや期限、担当者を入力して送信すれば、指定したNotionのタスクデータベースに自動で新しいページとして追加されるんです。わざわざ画面を切り替える必要がないので、集中力を切らさずに済みます。
既存メッセージをタスク化
また、既に送られてきたメッセージをタスク化したい場合は、メッセージのメニュー(︙アイコン)から「Notionに送信(Send to Notion)」を選ぶのも便利です。これなら元のSlackメッセージへのリンクも一緒に保存されるので、後でNotionを見た時に「このタスク、どういう経緯で発生したんだっけ?」と困ることがなくなります。情報の文脈(コンテキスト)を失わずにストックできるのが最大のメリットです。
Notionの更新通知をSlackに送る
「Notion更新したから見ておいて」とわざわざSlackで連絡するの、地味に面倒ですよね。この「連絡作業」自体も自動化してしまいましょう。
通知を送りたいNotionのページ(またはデータベース)を開き、右上の「…」メニューから設定を探します。以前は「更新の通知」という名称で個別に設定できましたが、現在は後述する「データベースオートメーション」機能の一部として統合され、より細かく制御できるようになっています。
基本的には、データベースの変更を検知して、「どのSlackチャンネルに通知するか」を指定します。誰かがページを編集したり、ステータスを変更したりすると、指定したチャンネルにBotが通知を飛ばしてくれます。自分宛のメンションだけでなく、プロジェクト全体の動きを可視化したい時に非常に役立ちます。
SlackでNotionのプレビューを表示
SlackにNotionのURLを貼り付けた時、ただの長いURL文字列が表示されるだけだと、中身が分からなくてクリックするのをためらってしまいますよね。連携設定が済んでいれば、これをリッチなカード形式で表示(Unfurling)させることができます。
初めてSlackにNotionのURLを貼った時に、Slackボットから「リンクのプレビューを表示しますか?」と聞かれることがあります。ここで「Connect」や「許可」を選んでおけば、以降は自動的にページのタイトルや冒頭のテキスト、設定されたアイコンなどが展開されて表示されます。
「この資料見ておいて」とURLだけ貼るよりも、「〇〇プロジェクト議事録(2025/12/07)」というタイトルが見えた方が、受け取る側も緊急度や優先度を判断しやすいですよね。小さなことですが、チームのコミュニケーションコストを下げる重要な機能です。
Notionデータベースオートメーション設定
これが2025年現在の連携機能の目玉とも言える機能です。以前は「ページが更新されたら全部通知」という大雑把なことしかできませんでしたが、今は「データベースオートメーション」を使ってもっと賢い通知システムが作れます。
必要な通知だけを届ける
例えば、「ステータスが『完了』になった時だけ、マネージャーのチャンネルに通知する」とか、「優先度が『高』に変更されたら、開発チームのチャンネルにメンション付きで飛ばす」といった具合です。無駄な通知を減らし、本当に必要なアクションだけを促すことができます。
設定はデータベースの右上にある「⚡(稲妻アイコン)」から行います。「トリガー(条件)」と「アクション(Slack通知)」をパズルのように組み合わせるだけで、ノーコードで簡単に作れます。これで「通知が多すぎて結局誰も見ない」という通知公害からも解放されますよ。
参考情報 データベースオートメーションの詳細な設定方法については、Notion公式サイトのヘルプも参照してください。 (出典:Notion公式サイト『データベースオートメーション』)
NotionとSlackの連携活用と対処法
基本設定ができたら、次はもっと実践的な活用方法を見ていきましょう。また、連携機能を使っていると必ず直面する「あれ?動かない」「通知が来ない」というトラブルへの対処法もまとめておきます。
NotionとSlackで議事録を共有する
会議が終わった後、議事録をNotionに書いて、そのURLをコピーして、Slackの該当チャンネルに貼って…という作業、毎回やるのは大変ですよね。これも自動化できます。
おすすめは、議事録用のデータベースにオートメーションを設定しておく方法です。「新規ページが作成されたら、指定のSlackチャンネル(例:#general-minutes)に通知する」という設定にしておけば、議事録の箱(ページ)を作った瞬間にチーム全員に共有されます。
AI要約との組み合わせ
さらにNotion AIを組み合わせれば、議事録の中身を自動で要約して、その要約文だけをSlackに流すことも可能です。「長い議事録を読む時間がない」というメンバーも、Slack上の要約だけで会議の決定事項やネクストアクションを把握できるので、情報の透明性が一気に上がります。
ポイント 議事録テンプレートにあらかじめ「AI要約」ブロックを配置しておくと、書き終わった後にボタン一つで要約が生成され、それがSlack通知のプレビューにも反映されるので非常に便利です。
Notion AIコネクターの活用機能
最近追加された強力な機能に「Slackコネクター(Slack Data Connector)」があります。これはNotion AIのQ&A機能(検索機能)を拡張するもので、Notionの中だけでなく、連携したSlackの会話ログまで検索対象にしてくれるんです。
例えばNotionで「あのプロジェクトの予算、いくらだっけ?」とAIに質問すると、Notion内の資料だけでなく、Slackで過去に交わされた「予算これくらいでいきましょう」という会話まで探し出して、「Slackの〇〇さんの発言によると…」と答えを教えてくれます。
「Slackで言ったっけ?Notionに書いたっけ?」と迷う必要がなくなり、Notionに聞けば組織の全ての記憶にアクセスできる。まさに「第二の脳」としてのNotionが完成します。ただし、この機能はプランによっては制限がある場合があるので、契約内容を確認してみてくださいね。
NotionとSlackの連携ができない原因
いざ設定しようとしても、なぜか連携できないことがあります。よくある原因は以下の3つです。
- 権限不足:Slackのワークスペース管理者によって、アプリのインストールが制限されている場合。管理者に承認リクエストを送る必要があります。
- アカウントの間違い:個人のNotionアカウントで会社のSlackに繋ごうとしている(またはその逆)場合。接続画面で右上のワークスペース名を確認してください。
- ブラウザのポップアップブロック:認証画面が開こうとするのをブラウザが阻止してしまっている場合。URLバーの右端などにブロック通知が出ていないか確認しましょう。
特に多いのが「権限」の問題です。会社で導入する場合は、まず情シスの担当者に「Notion連携したいです」と一言相談するのが一番の近道かもしれません。
Notionの通知がSlackに来ない時
「設定したはずなのに通知が来ない!」というのもよくあるトラブルです。まずは以下のポイントをチェックしてみてください。
- Botがチャンネルにいない:通知したいSlackチャンネル(特にプライベートチャンネル)に、Notionアプリ(Bot)が招待されていますか? 該当のチャンネルで
/invite @Notionコマンドを入力してBotを招待してあげてください。 - 自分自身の操作:デフォルトの設定や一部の条件では、「自分が更新した内容」は自分には通知されません(うるさくなるため)。テストする時は、同僚に更新してもらうか、別のアカウントで試す必要があります。
- 連携の有効期限切れ:長く使っていると認証トークンが切れることがあります。Notionの設定画面から一度連携を解除(Disconnect)して、再接続すると直ることが多いです。
プライベートチャンネルの罠 パブリックチャンネルなら設定時に勝手にBotが入れることもありますが、鍵付きのプライベートチャンネルには人間が手動で招待しない限りBotは入れません。ここが一番の落とし穴なので、通知が来ない時はまずBotの所在を確認しましょう。
まとめ:NotionとSlackの連携で効率化
NotionとSlackは、それぞれ「ストック(情報の蓄積)」と「フロー(情報の流れ)」という異なる役割を持ったツールです。この2つを連携させることは、単に便利になるだけでなく、情報の取りこぼしを防ぎ、チームの資産として活用するための重要な戦略になります。
最初は簡単な通知設定だけでも構いません。慣れてきたらタスク作成コマンドやAI連携など、徐々に高度な機能を取り入れてみてください。情報の流れが整うと、驚くほど仕事のストレスが減り、本来やるべき業務に集中できる時間を増やせるはずです。ぜひ今日から、NotionとSlackの最強コンビを活用して、スマートなワークスタイルを手に入れてください。