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Notionの改行完全ガイド!PCとスマホの使い分けや表設定も解説

Notionの改行完全ガイド!PCとスマホの使い分けや表設定も解説

Notionを使い始めて最初に戸惑うのが、エンターキーを押したときの挙動ではないでしょうか。ワードやメモ帳と同じ感覚で改行しようとすると、勝手に新しい行ができてしまったり、行間が大きく空いてしまったりします。私自身、最初は「普通に改行したいだけなのにできない」とストレスを感じていました。実はNotionには、独特のブロックという仕組みがあり、これを理解しないとスマホやショートカットでの操作で混乱してしまいます。この記事では、PCでの基本操作から、表の中で改行する方法、そして悩みが多いスマホでの入力テクニックまで、実体験を交えて分かりやすく解説していきます。

  • PCとスマホそれぞれでの正しい改行操作手順
  • 行間が勝手に空いてしまう現象の仕組みと解決策
  • データベースの表や数式内で改行を表示する方法
  • iPhoneやAndroidでスムーズに入力するためのコツ

Notionの改行ルールとPC基本操作

PCでNotionを使う際、まず押さえておきたいのが「エンターキー」の役割です。一般的なテキストエディタとは異なり、Notionでは改行操作が文章の構造そのものに影響を与えます。ここでは、日常的に使うショートカットや、箇条書きリストでの振る舞いなど、基礎となるルールをしっかり解説します。

Shiftキーでの改行ショートカット

Notionで文章を執筆する際、最も頻繁に使用し、かつ最も重要な操作がこのショートカットです。結論から申し上げますと、一つのブロック内でテキストを折り返して改行したい場合は、必ず「Shift + Enter」キーを使用してください。これはWindowsでもMacでも共通の操作となります。

なぜこのような使い分けが必要なのか、少し詳しく解説させてください。私たちが普段使い慣れているWordやGoogleドキュメント、あるいは一般的なメモ帳アプリは「ストリームモデル」という形式を採用しています。これは、文字が川の流れのように連続しており、エンターキーを押すことは単に「改行コード」という目に見えない記号を挿入することに過ぎません。

しかし、Notionは根本的に異なる「ブロックモデル」を採用しています。Notionにおいて単独で「Enter」キーを押すという行為は、単なる改行ではなく、「現在のブロックを終了し、直下に新しいブロックを生成する」という命令になります。これが、Enterを押すと行間が広く空いてしまう理由です。視覚的には行が空いているだけに見えますが、データ構造としては「段落A」と「段落B」という全く別の箱(オブジェクト)に分かれている状態なのです。

EnterとShift + Enterの挙動比較

この違いを明確にするために、挙動の違いを表にまとめました。

操作コマンド Notionでの意味 視覚的な変化 主な用途
Enter 新規ブロック作成 行間(マージン)が広く取られる 段落を変える、新しい箇条書きを作る
Shift + Enter ブロック内改行 行間が狭く、文章が連続する 同じ段落内で文を続ける、住所や歌詞

例えば、長い文章を書いているときに「ここは話の区切りだから段落を変えよう」という時はEnterを押します。一方で、「文章は続くけれど、読みやすくするためにここで折り返したい」あるいは「箇条書きの項目の補足説明をすぐ下に書きたい」という時はShift + Enterを使います。

この「Shift + Enter」による改行は、専門的には「ソフトリターン(Soft Return)」とも呼ばれます。対して、Enter単独でのブロック作成は「ハードリターン(Hard Return)」と呼ばれます。この用語を覚える必要はありませんが、「Shiftを押しながら」という操作が、ブロックという箱の中に留まるための命綱であるとイメージしておくと良いでしょう。

リカバリー方法

もし間違えてEnterを押してブロックが分かれてしまっても焦る必要はありません。新しくできた行の先頭で「Backspace(MacならDelete)」キーを押せば、直前のブロックと結合され、元の状態に戻すことができます。

箇条書きリスト内で改行する手順

Notionでタスク管理や議事録作成を行っていると、箇条書き(リストブロック)や番号付きリストを使う頻度が非常に高くなります。ここで多くのユーザーがつまずくのが、「リストの項目内で改行したいのに、新しい黒丸が出てきてしまう」という問題です。

例えば、以下のようなToDoリストを作っている場面を想像してみてください。

  • 資料作成(期限:明日まで)
  • クライアントへのメール送信

ここで、「資料作成」という項目の下に、具体的な内容や参照URLをメモしておきたいとします。項目の末尾で普通にEnterキーを押すと、Notionは「お、次のタスクを入力するんだな」と判断し、自動的に新しい箇条書きの行(・)を作成してしまいます。これでは、補足情報が独立したタスクのように見えてしまい、情報の親子関係が不明瞭になってしまいます。

インデントを崩さずに情報をまとめる技術

ここで活躍するのが、やはり「Shift + Enter」です。リスト項目の途中でShift + Enterを押すと、黒丸(バレット)を生成することなく、テキストだけを次の行に送ることができます。これにより、一つのリスト項目の中に複数行の情報を詰め込むことが可能になります。

実践例:タスク管理での活用

【A社案件】要件定義書の作成 (※Shift + Enterで改行) 参照:前回の議事録リンク 担当:佐藤、鈴木 期限:金曜日の15時まで

このように入力することで、この塊全体が「一つのリストブロック」として扱われます。これがどのようなメリットを生むかというと、このタスク全体をドラッグ&ドロップで移動させたい時に、黒丸の部分(ブロックハンドル)を掴めば、補足情報も含めて一度に移動できるのです。

もし、Enterキーで別のブロックに分けてしまっていると、移動させる際にタスク名と補足説明を別々に選択して移動させなければならず、非常に手間がかかります。情報の「まとまり」を意識して改行を使い分けることは、後の編集作業の効率を劇的に向上させるテクニックと言えます。

また、番号付きリストの場合も同様です。「1. 手順その1」の下に補足を書くときにShift + Enterを使えば、番号を進めずに説明文を挿入できます。これにより、論理的で読みやすいドキュメントを作成することができます。

ページタイトルでの改行制限

Notionのページを開いたとき、一番上に大きく表示される「タイトル」エリア。ここは、そのページの名前を入力する特別な場所ですが、本文エリアとは異なる特殊な制約が存在します。それは、「タイトル内では原則として改行ができない」という点です。

タイトルを入力中に、改行のつもりでEnterキーを押すと、カーソルはタイトル行から離れ、本文の最初のブロックへと強制的に移動します。また、Shift + Enterを押しても何も反応しないか、同様に本文へ移動する挙動となります。これは、Notionのデータベース構造において、タイトルが「Name」という特定のプロパティ(属性)として定義されているためです。

なぜタイトルは改行できないのか?

データベースの観点から見ると、ページタイトルはあくまで「レコードの見出し」です。例えば、サイドバーのページ一覧や、データベースのテーブルビューで表示されたとき、タイトルが複数行にわたって改行されていると、表示が崩れたり、視認性が著しく低下したりする原因になります。そのため、Notionの仕様としてタイトルは1行(表示幅を超える場合は折り返されますが、データとしての改行コードは入りにくい仕様)であることが求められているのです。

長文タイトルを扱いたい場合の代替案

しかし、プロジェクト名が長かったり、タイトルに補足的なサブタイトルを入れたい場合もあるでしょう。そのような場合は、タイトル自体には簡潔な名称(例:「2024年度 プロジェクト計画」)を入力し、詳細はその直下の本文エリアを活用することをおすすめします。

具体的には、以下のようなブロックを活用して「擬似的なサブタイトル」や「リード文」を作ると、デザイン的にも美しく仕上がります。

  • Callout(コールアウト)ブロック:背景色とアイコンが付くため、タイトルの直下に配置すると、重要な概要説明として際立ちます。
  • Heading(見出し)ブロック:H2やH3見出しを使って、サブタイトルを記述します。
  • Quote(引用)ブロック:少し控えめな文字サイズで、補足を添えるのにおしゃれです。

このように、「タイトルエリアですべてを完結させようとしない」ことが、Notionらしいページ作りのコツです。タイトルはあくまで検索や一覧表示のための「ラベル」と考え、詳細は本文ブロックで自由に表現するという使い分けを意識してみてください。

改行できない時の原因と対処法

「Shift + Enterを押しているはずなのに、なぜか改行されない」「カーソルが勝手に移動してしまう」といったトラブルは、Notion初心者が必ずと言っていいほど直面する壁です。入力デバイスやブラウザ、あるいは日本語入力システム(IME)の仕様など、原因はいくつか考えられます。

ここでは、改行がうまくいかない主な原因とその対処法を詳しく掘り下げていきます。トラブルに直面した際は、以下のポイントを順にチェックしてみてください。

1. データベースのセル選択モードの問題

最も多いのが、データベース(表)のセルに入力しようとしているケースです。Notionのテーブルには、Excelと同じように2つのモードがあります。

  • ナビゲーションモード:セルが青い枠で囲まれているだけの状態。この状態でキーボードを打つと、上書き入力になったり、ショートカットキーとして機能したりします。
  • 編集モード:セルの中にカーソルが点滅している状態。文字入力が可能な状態です。

改行(Shift + Enter)を行うには、必ず「編集モード」になっている必要があります。セルを一度クリックしただけではナビゲーションモードの場合がありますので、ダブルクリックするか、選択状態でEnterを押して、カーソルを点滅させてから操作してください。

2. 日本語入力(IME)の未確定状態

私たち日本人特有の問題として、日本語入力システム(IME)の挙動があります。文字を入力し、変換候補が出ている状態(未確定状態)でEnterキーを押すと、それは「改行」ではなく「変換の確定」として処理されます。

Shift + Enterを押す際も同様で、文字が未確定の状態で押すと、期待した動作にならないことがあります。確実な操作手順としては、「まずEnterで文字を確定させ、その後に改めてShift + Enterを押す」という2段階の操作を意識するとミスが減ります。

3. ショートカットキーの競合

稀なケースですが、ブラウザの拡張機能や、常駐している他のアプリケーションが「Shift + Enter」というショートカットキーを別の機能(例えば翻訳ツールの起動など)に割り当てている場合があります。もしNotion上だけでうまくいかない場合は、一度ブラウザのシークレットモードでNotionを開き、拡張機能の影響がない状態で試してみてください。これで正常に動くなら、拡張機能のどれかが干渉している可能性が高いです。

4. ブロックの種類による制限

一部の特殊なブロック(コードブロックや数式ブロックなど)では、キー操作が通常のテキストブロックとは異なる挙動を示すことがあります。例えばコードブロック内では、単にEnterを押すだけで改行される(新しいブロックにならない)仕様になっています。編集中のブロックが何であるかを意識することも大切です。

それでも解決しない場合

Notionアプリ自体のバグや一時的な不具合の可能性もあります。その場合は、アプリの再起動(Windowsなら「Ctrl + R」、Macなら「Cmd + R」でリロード)を試してみてください。これだけで挙動が直ることも意外と多いものです。

ブロック作成と改行の違いとは

ここまで「ブロック」という言葉を繰り返し使ってきましたが、このセクションではNotionの根幹をなす「ブロックモデル」について、もう少し深掘りして解説します。なぜNotionは、普通のメモ帳のように自由に改行させてくれないのでしょうか?

Notionにおける「データ」の考え方

Wordや一般的なテキストエディタは「紙」のメタファー(比喩)で作られています。紙の上には、上から下へと文字が連続して書かれていきます。これに対し、Notionは「積み木(ブロック)」の集合体としてページを構成しています。

あなたがEnterキーを押して新しい段落を作るとき、Notionの裏側(システム内部)では、新しいIDを持ったデータオブジェクトが生成されています。以下のようなイメージです。

  • 1行目:Block_ID_001(テキスト:「会議の議事録」)
  • 2行目:Block_ID_002(テキスト:「決定事項:...」)

このようにバラバラの「箱」として管理されているからこそ、Notionでは画期的な機能が実現できています。例えば、段落ごとドラッグ&ドロップで順番を入れ替えたり、特定の段落だけを「ToDoリスト」や「見出し」に瞬時に変換したり、あるいは特定のブロックだけを別のページにリンク(同期ブロック)させたりすることが可能なのです。

UX(ユーザー体験)への影響

「改行したいだけなのに、新しい箱が作られる」という挙動は、最初は違和感があるかもしれません。しかし、これは「情報の粒度(サイズ)を意識させる」というNotion側の設計思想でもあります。

一つのブロックに長文を延々と詰め込む(Shift + Enterを多用する)使い方は、Notion的にはあまり推奨されません。なぜなら、後から「この部分だけをタスク化したい」と思った時に、ブロックが大きすぎると切り分けが難しくなるからです。

個人的なアドバイスとしては、「一つの話題につき、一つのブロック」という原則で書くことをお勧めします。そして、どうしても一つの話題の中で行を分けたい時(住所、詩、コード、補足説明など)にだけ、例外的に「Shift + Enter」を使う。この意識を持つだけで、Notionの使い勝手は格段に向上し、後から編集しやすい「生きたドキュメント」を作ることができるようになります。

Notionのブロック構造に関する基本的な概念については、公式サイトのヘルプも非常に参考になりますので、興味がある方は一度目を通してみるとより理解が深まるでしょう。(出典:Notion Help Center『Start with a block』)

Notionの改行をスマホや表で行う

PCのデスクトップ環境では物理キーボードがあるため、Shiftキーを駆使して自由自在に操作できますが、モバイル環境やデータベースの特殊なフィールド内では勝手が違います。特にiPhoneやAndroidなどのスマートフォンでNotionアプリを使う際、「思ったように改行できない」というストレスを感じるユーザーは非常に多いです。

ここからは、多くのユーザーが悩むモバイル環境での入力テクニックや、データベース(表)の中でのテキスト操作、さらには数式を使った高度な改行テクニックまで、応用的な使い方を徹底解説します。

iPhoneやスマホでの改行解決策

スマートフォンでNotionを使う際、最大のペインポイント(悩みの種)となるのが、ソフトウェアキーボードの「改行(Return)」キーの挙動です。LINEやメッセージアプリ、あるいは標準のメモアプリでは、改行キーを押せば単純に行が送られます。しかし、Notionのモバイルアプリで改行キーをタップすると、PCでEnterを押した時と同様に「新しいブロック」が作成されてしまいます。

これにより、スマホで長文を書こうとすると、意図せず段落が細切れになってしまったり、箇条書きのリストから抜け出せなくなったりといった問題が発生します。残念ながら、現在のiOSやAndroidの標準キーボードには「Shiftキー」に相当する機能が完全には統合されていません。

モバイルでの執筆ストレスを減らす3つのアプローチ

私が普段、iPhoneでNotionを使う際に実践している「回避策」を3つご紹介します。

1. ツールバーの活用(※バージョンによる)

Notionのモバイルアプリは頻繁にアップデートされており、キーボードの上部に独自のツールバーが表示されることがあります。ここにある「+」アイコンやフォーマットメニューの中に、改行やインデント操作を補助するボタンが含まれている場合があります。ただし、画面サイズが小さいスマホではツールバーが使いにくかったり、アップデートで配置が変わったりするため、過信は禁物です。

2. 外部エディタからのコピー&ペースト

もし、スマホで長めの文章や、改行を含むまとまったテキスト(住所や挨拶文など)を入力したい場合は、Notionアプリで直接書くことを諦めるのも一つの賢い選択です。 iPhone純正の「メモ」アプリや、愛用しているテキストエディタで文章を作成し、そこで改行を含めた形に整えます。その文章全体をコピーし、Notionのブロックにペーストしてください。この方法なら、一つのテキストブロック内に改行が含まれた状態で綺麗に貼り付けることができます。

3. 音声入力(Dictation)の裏技

意外と知られていないのが、スマホの音声入力機能を使う方法です。キーボードのマイクアイコンをタップし、文章を話して入力する際、改行したい場所で「改行」と発声してみてください。SiriやGoogleアシスタントの音声認識エンジンは、これをコマンドとして認識し、ブロックを分割せずに改行コード(\n)を挿入してくれる場合があります。(※OSのバージョンや認識精度に依存しますが、成功すると非常に便利です)

私の結論:スマホは「閲覧・修正」用と割り切る

様々なテクニックを試しましたが、正直なところ、スマホでの長文執筆は効率が落ちます。私は、スマホからは「アイデアを箇条書きで放り込む」「誤字を修正する」「チェックボックスをオンにする」といった軽微な操作に留め、複雑な構成や長文の執筆はPCで行うというワークフローを確立してから、ストレスが激減しました。

Androidアプリでの改行テクニック

Androidユーザーの場合、iPhoneユーザーよりも少しだけ選択肢が広がる可能性があります。Android OSはキーボードアプリ(IME)を自由に変更できる柔軟性があるため、PCに近い操作感を実現できる場合があるのです。

Shiftキー(上矢印)とのコンビネーション

一部のAndroid標準キーボードやGboard(Googleキーボード)では、Shiftキー(上向きの矢印キー)を1回タップしてアクティブ(大文字入力モード)にした状態で、すぐにEnterキーをタップすることで、Notionアプリ側がこれを「Shift + Enter」として認識し、ブロック内改行ができるケースが報告されています。

ただし、これは機種やAndroidのバージョン、Notionアプリのバージョンによって挙動が不安定なため、全ての端末で動作する保証はありません。まずはご自身の端末で試してみてください。

サードパーティ製キーボードの導入

もし頻繁にAndroidで執筆を行うなら、「PC配列(QWERTY配列)」を忠実に再現したキーボードアプリを導入するのも一手です。例えば、「Hacker's Keyboard」のような開発者向けのキーボードアプリでは、PCと同じように独立したShiftキーやCtrlキーが画面上に配置されています。これを使えば、物理キーボードと同じ感覚でShift + Enterを入力することが物理的に可能になります。

外出先でタブレットやスマホを使って本格的なドキュメント作成を行う必要がある場合は、Bluetooth接続の物理キーボードを持ち歩くのが、結局のところ最も確実で高速な解決策かもしれません。

表やテーブル内で改行する操作

Notionの「データベース」機能は非常に強力ですが、ExcelやGoogleスプレッドシートに慣れ親しんだユーザーにとって、セル(マス目)内での改行操作は鬼門の一つです。

Excelでは「Alt + Enter」でセル内改行を行いますが、Notionでは異なります。また、単にEnterを押すと、カーソルが下のセルに移動してしまい、入力中の内容が確定されてしまいます。これもまた「改行したいのに!」というイライラポイントですよね。

セル内改行の正解はやはり「Shift + Enter」

データベースのセル内であっても、改行のショートカットはPCと同様に「Shift + Enter」です。ただし、前述の「編集モード」の概念がここで重要になってきます。

具体的な手順をステップバイステップで確認しましょう。

  1. セルを選択する:入力したいセルをクリックします。この時点では枠が青くなるだけです(ナビゲーションモード)。
  2. 編集モードにする:もう一度クリックするか、Enterキーを押して、セルの中にカーソルを点滅させます。
  3. 文字を入力する:1行目のテキストを入力します。
  4. 改行する:改行したい位置で、Shiftキーを押しながらEnterキーを押します。これでカーソルが同じセルの中で下の行に移動します。
  5. 入力を完了する:全て入力し終えたら、Enterキーを押すか、セルの外をクリックして確定させます。

この操作は、「テキスト(Text)」プロパティだけでなく、「リッチテキスト」を含む多くのプロパティで有効です。ただし、「数値(Number)」や「日付(Date)」など、そもそも改行という概念がないプロパティでは機能しませんのでご注意ください。

改行が消える問題と折り返し設定

「よし、Shift + Enterでセル内改行ができた!」と思って入力を確定した瞬間、入力したはずの2行目以降が消えてしまい、末尾に「...」と表示されてしまった経験はありませんか?

これはデータが消えてしまったわけではありません。Notionのデータベース表示における「折り返し(Wrap)」設定がデフォルトでオフになっているために起こる現象です。データベースの一覧性を高めるため、初期設定ではセルが1行の高さに固定され、はみ出した部分は省略される仕様になっています。

データを全文表示させるための「折り返し」設定手順

入力した改行をそのまま見た目に反映させたい場合は、以下の手順で設定を変更してください。

特定の列(プロパティ)だけ折り返したい場合

  1. 該当する列のタイトル(例:「備考」や「住所」)をクリックします。
  2. メニューが表示されるので、その中にある「折り返し(Wrap column)」のスイッチをオンにします。

テーブル全体のすべての列を折り返したい場合

  1. データベースの右上にある「...」アイコンをクリックします。
  2. 「レイアウト(Layout)」をクリックします。
  3. 下の方にある「すべての列を折り返す(Wrap all columns)」のスイッチをオンにします。

この設定をオンにすると、セルの高さがテキストの量に合わせて自動的に拡張されます。改行が含まれている場合はもちろん、長い文章が右端で自動的に折り返されるようになり、内容をすべて一覧できるようになります。

「一覧性を重視して1行でスッキリ見せたい」のか、「内容をしっかり確認したい」のかによって、このスイッチを使い分けるのがデータベース運用のコツです。

数式で改行コードを扱う方法

ここからは少し上級者向けのテクニックになりますが、Notionの「Formula(数式)」機能を使って、テキストを自動的に加工・整形する際の改行テクニックをご紹介します。

2023年にリリースされた「Formula 2.0」へのアップデートにより、数式内でのテキスト処理能力が飛躍的に向上しました。これにより、以前は複雑なハックが必要だった改行コードの扱いが、非常にシンプルになっています。

エスケープシーケンス「\n」の活用

プログラミングの知識がある方にはお馴染みですが、Notionの数式内では、改行を表す特殊文字として\n(バックスラッシュ+n、または円記号+n)を使用します。

例えば、データベースに「郵便番号」「住所1(都道府県など)」「住所2(番地など)」という3つのプロパティがあり、これらを結合して、宛名ラベルのように改行された状態で表示したいとします。その場合の数式は以下のようになります。

"〒" + prop("郵便番号") + "\n" + prop("住所1") + "\n" + prop("住所2")

この数式の結果は、以下のように表示されます(※折り返し設定をオンにした場合)。

〒100-0001 東京都千代田区千代田1-1 Notionビル 1F

リスト(配列)を改行で結合する「join」関数

もう一つ便利なのが、join関数との組み合わせです。例えば、「担当者(Person)」プロパティや「タグ(Multi-select)」プロパティは、複数の値を持つことができるリスト形式のデータです。通常、これらはカンマ区切りで表示されますが、これを縦並びのリストとして表示したい場合に役立ちます。

/* 担当者の名前を取得し、改行区切りで表示する */ prop("担当者").map(current.name()).join("\n")

join("\n")という記述は、「リストの中身を、改行コードを挟んでつなぎ合わせなさい」という命令になります。これにより、数式プロパティを使って、視認性の高いカスタムリストを自動生成することが可能になります。

Notionの関数機能についてさらに詳しく学びたい方は、基本的な関数の一覧や活用事例をまとめた記事もご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。(※ご自身のサイト内にNotion関数関連の記事があれば、ここで内部リンクを検討してください)

Notionの改行を極めて快適に使う

Notionにおける「改行」は、単なる文字入力の一部ではなく、情報をどのように構造化するかという「ブロック」の概念と深く結びついています。最初は「なぜ普通に改行させてくれないの?」とストレスを感じたかもしれませんが、その背景にあるデータ構造を理解すれば、むしろ「情報の整理」を手助けしてくれていることに気づくはずです。

まずはPCでの「Shift + Enter」に指を慣れさせることから始めてみてください。そしてスマホでは無理に完璧なフォーマットを求めず、PCで仕上げるというワークフローを組むのも、ストレスなく使い続けるコツかなと思います。表の中での折り返し設定や、数式での改行コードなど、今回ご紹介したテクニックを一つずつ試していただき、Notionをあなたの思考を整理する最強のパートナーに育て上げていってください。

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