
移動中の飛行機や電波の悪いカフェで、Notionのページが開けずに焦った経験はありませんか?「Notionはオンラインでないと使えない」というのは過去の話になりつつあります。2025年のアップデートで待望のオフライン機能が強化され、事前に設定しておけばネットがない環境でも快適に作業できるようになりました。しかし、この機能には「サブページは自動で保存されない」「データベースは50件までしか表示されない」といった、知っておかないと致命的な落とし穴も存在します。この記事では、Notionをオフラインで確実に使うための正しい設定手順から、同期トラブルを防ぐための運用ハックまで、徹底的に解説していきます。
- オフライン利用にはブラウザ版ではなくデスクトップアプリが必須である理由
- 手動ダウンロードと自動キャッシュの違いと具体的な設定方法
- サブページやデータベース同期における重要な制約と回避策
- 移動前に準備しておくべき「オフラインハブ」の作成手順
Notionをオフラインで使うための設定手順
「いざオフラインになったら何も見られなかった」という事態を防ぐためには、事前の準備が不可欠です。Notionのオフライン機能は、魔法のように全自動ですべてを保存してくれるわけではありません。まずは、確実にデータをローカルに保存するための基本的な手順を押さえておきましょう。
ブラウザ版ではなくデスクトップアプリを使う
大前提として、Notionのオフライン機能を利用するには、ChromeやSafariなどのブラウザ版ではなく、WindowsやMacの「デスクトップアプリ」、またはスマホの「モバイルアプリ」を使用する必要があります。
ブラウザ版は常にインターネット接続を前提としているため、回線が切れると操作不能になったり、データの保存が保証されなかったりします。一方、アプリ版はローカルストレージにデータを保存する仕組みを持っているため、オフライン環境でも安定して動作します。まだインストールしていない方は、公式サイトからアプリ版をダウンロードすることから始めましょう。
ページを手動でダウンロードして保存する方法
特定のページを確実にオフラインで見られるようにするには、「手動ダウンロード」の設定を行います。これは無料プランを含むすべてのユーザーが利用できる機能です。
- オフラインで使いたいページを開きます。
- 画面右上の「…(3点リーダー)」メニューをクリックします。
- メニューの中から「オフラインで使用可能(Available offline)」のスイッチをオンにします。
これで、そのページのデータが端末にダウンロードされます。出張やフライトの前には、必要な資料に対してこの操作を行っておくのが鉄則です。
有料プランなら自動でデータがキャッシュされる
もしあなたが「プラスプラン」以上の有料プランを契約しているなら、もう少し楽ができます。有料プランには「自動ダウンロード」機能が備わっているからです。
具体的には、「最近訪れたページ」や「お気に入り(Favorites)」に追加されているページが、バックグラウンドで自動的にキャッシュ(一時保存)されます。頻繁にアクセスするページなら、意識して設定しなくてもオフラインで見られる可能性が高いですが、過信は禁物です。絶対に閲覧したいページは、念のため手動で設定しておくことをおすすめします。
スマホやiPadでオフライン編集するやり方
モバイルアプリ(iOS/Android)でもオフライン機能は利用可能です。基本的にはPC版と同じで、ページメニューから「オフラインで使用可能」をオンにするだけです。
ただし、PCで設定したからといって、自動的にスマホ側もオフライン設定になるわけではありません。オフライン設定はデバイスごとに独立しているため、スマホで使いたい場合は、必ずスマホアプリ側で設定操作を行ってください。
オフライン状態でできることとできないこと
オフライン環境下では、テキストの執筆や編集、既存の画像の閲覧などは問題なく行えます。しかし、インターネット接続を必須とする機能は当然ながら使用できません。
【オフラインで使えない機能の代表例】
- Notion AI: 文章要約や生成などのAI機能全般。
- 外部埋め込み: YouTube動画、Googleマップ、Figmaなどの埋め込みコンテンツ。
- ウィジェット: 天気予報や時計などの動的なウィジェット。
「AIに要約させようと思ったのに動かない!」とならないよう、AIが必要な作業はオンラインのうちに済ませておきましょう。
Notionのオフライン機能における制約と対策
ここからは、公式ヘルプを読んだだけでは気づきにくい、しかし実運用では極めて重要な「制約」について解説します。これを知らないと、現場で痛い目を見ることになります。
親ページを保存してもサブページは同期されない
これが最大の落とし穴です。親ページ(例:「プロジェクトA」)を「オフラインで使用可能」に設定しても、その中にある子ページ(サブページ)は自動的にはダウンロードされません。
親ページを開くことはできても、リンクをクリックして詳細を見ようとした瞬間に「オフラインです」というエラー画面が表示されてしまいます。対策としては、必要なサブページも一つひとつ手動でオフライン設定をオンにする必要があります。少し手間ですが、確実なアクセスのためには避けて通れません。
データベースの読み込みは50件までの制限
データベースをオフラインで閲覧する場合、「最初の50件」までしか表示されないという制限があります。数千件のタスクが入っているデータベースでも、オフラインで見られるのは上から50件だけです。
これを回避するには、あらかじめ「今日やるタスク」や「未完了」などのフィルターをかけた「専用ビュー」を作成し、それをリストの一番上に配置しておくことが重要です。そうすれば、本当に必要な50件を優先的にダウンロードさせることができます。
AI機能や外部埋め込みは使用不可になる
先述の通り、Notion AIや外部サービスの埋め込みブロックは機能しません。プレゼン資料などでYouTube動画を埋め込んでいる場合は注意が必要です。
動画や重いPDF資料などは、Notionに埋め込むのではなく、事前に端末のローカルフォルダにダウンロードしておき、Notionには「ファイル名」だけを記載しておくといった運用上の工夫が求められます。
同期のタイミングと競合が発生した時の挙動
オフラインで行った編集は、次にオンラインになった瞬間にサーバーへ送信され、同期されます。テキストの編集であれば、Googleドキュメントのように上手くマージ(統合)されることが多いですが、データベースのプロパティ変更(ステータスの変更など)は注意が必要です。
もしオフライン中にあなたが「完了」に変更し、同時に別のメンバーがオンラインで「進行中」に変更していた場合、「最後に更新した方のデータ」が上書き採用される(Last Write Wins)可能性があります。チームで共有している重要なデータベースは、オフラインでの変更を避けるのが無難です。
移動前に準備するオフラインハブの活用術
これらの制約を乗り越えて快適に作業するために、私がおすすめしているのが「オフラインハブ(Offline Hub)」というページの作成です。
【オフラインハブの作り方】
- 「✈️ Offline Hub」という名前で新規ページを作成する。
- 移動中に作業したいページへのリンクや、必要なタスクデータベースのリンクドビューを集約する。
- データベースビューはフィルターをかけて50件以内に絞り込む。
- 出発前にこのページを開き、リンク先の各ページを個別に「オフラインで使用可能」に設定する。
この「準備の儀式」を行うことで、必要なデータが確実にローカルに保存され、機内でも迷子にならずに作業に集中できます。
まとめ:Notionオフラインの仕様を理解する
Notionのオフライン機能は、2025年のアップデートで実用性が飛躍的に向上しましたが、Evernoteのような「完全なローカル保存」とは少し性質が異なります。「サブページは連動しない」「データベースは50件まで」といったクセを理解し、事前の準備(プリロード)さえしっかり行えば、場所を選ばない最強のワークスペースとして機能します。
ぜひ今回の記事を参考に、移動中や通信不安定な環境でも、ストレスフリーにNotionを使いこなしてください。