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Notionで手書き入力する方法!iPad連携とOCR活用術を解説

手書き

Notionを使っていると、ふとした瞬間に「ここに手書きでメモができたらいいのに」と思うこと、ありますよね。特にiPadなどのタブレットを使っている方は、Apple Pencilでサラサラと書いた図解やイラストをそのままページに残したいと感じるはずです。でも、実際に画面をタッチしてみると反応せず、「Notionでは手書きができない」という現実に直面してがっかりした経験があるかもしれません。実は、Notion自体には手書き機能は搭載されていませんが、FigJamやGoodNotesといったアプリ連携、あるいは画像内の文字を認識するOCR機能を活用することで、手書きの自由さとデジタルの検索性を両立させることは十分に可能です。今回は、検索してもなかなか「これだ!」という正解が見つからないこの悩みについて、外部ツールとの連携テクニックや、Notion AIを使って手書き文字をデータ化する方法まで、私が普段実践しているノウハウを詳しく紹介していきます。

  • Notion本体で手書き入力ができない理由と具体的な代替案がわかる
  • iPadとFigJamやGoodNotesを組み合わせて手書きを活用する方法を知れる
  • OCR機能を使って手書き文字を検索可能なテキストにする手順が学べる
  • 自分の用途に合った最適な手書きツールの選び方が理解できる

Notionの手書き入力を実現する連携テクニック

「Notionで手書きしたい!」という願いを叶えるためには、まずNotionの仕組みを理解し、相性の良い外部ツールを組み合わせるのが近道です。Notionは「オールインワン」と言われますが、すべての機能をネイティブで持っているわけではありません。むしろ、他の優秀なツールの受け皿(ハブ)として機能することこそがNotionの真骨頂です。ここでは、なぜ直接書けないのかという技術的な疑問を解消しつつ、iPadや各種アプリを使った具体的な連携方法を深掘りしていきます。

Notion本体で手書きができない理由を知る

まず最初に、なぜNotionにはOneNoteやEvernoteのような「手書き機能」がないのか、その背景を少し深く掘り下げておきましょう。「技術的に難しいの?」と思うかもしれませんが、これはNotionが持つ「ブロック構造」という設計思想に根本的な理由があります。

Notionのページは、テキスト、画像、見出し、データベースの行といった「ブロック」と呼ばれる最小単位の積み重ねで構成されています。これらは裏側では「JSON」という形式の構造化データとして、きっちりと整理された状態で保存されています。この構造のおかげで、ブロックをドラッグして並べ替えたり、他のページに同期したりといった魔法のような操作が可能になっているのです。

一方で、手書きデータというのは「キャンバス(画用紙)」の上に、自由な座標に線を引いていくデータ形式(ベクターやラスター)です。積み木のようにカチッと積み重なるNotionのブロック構造の中に、自由気ままに描けるキャンバスレイヤーを挟み込むことは、データの整合性を保つ上で非常に相性が悪いんですね。

【ブロック構造とキャンバス構造の違い】

  • Notion(ブロック構造): レゴブロックのように要素を積み上げる。検索や整理が得意だが、自由な描画は苦手。
  • 手書きアプリ(キャンバス構造): 白い紙に自由にインクを乗せる。発想を広げるのは得意だが、データの構造化は苦手。

開発コミュニティでも「Canvasブロックを追加してほしい」という要望は長年ありますが、Notion側としては、中途半端な描画機能を実装して動作が重くなるよりも、データベースとしての堅牢性やMarkdown変換との互換性を最優先しているのだと推測されます。だからこそ、「無理やりNotionで書こうとする」のではなく、「手書きが得意なツールをNotionの中に窓として表示させる」という発想の転換が、快適な環境を作るための第一歩になります。

iPadの手書きはスクリブル機能でテキスト化

もしあなたがiPadを使っていて、「図を描きたいわけではなく、文字入力の手段として手書きを使いたい(キーボードを出したくない)」という目的であれば、iPadOS標準の機能である「スクリブル(Scribble)」が強力な味方になります。

スクリブルとは、Apple Pencilを使ってテキスト入力欄に直接手書きすると、それをOSが即座に認識してデジタルの活字テキストに変換・入力してくれる機能です。Notionのテキストブロックやデータベースのセルを選択して、そこにペンで文字を書くと、驚くほどの精度とスピードでテキスト化されます。

例えば、立って作業をしている時や、電車内での移動中など、ソフトウェアキーボードを画面半分に表示させたくないシーンでは非常に重宝します。特に日本語の認識精度も年々向上しており、漢字とひらがなが混じった文章でもストレスなく変換してくれます。

スクリブルを快適に使うための設定

スクリブル機能を利用するには、iPadの設定を確認しておく必要があります。以下の手順で機能がオンになっているかチェックしてみてください。

【設定手順】 「設定」アプリ > 「Apple Pencil」 > 「スクリブル」をオンにする。 (出典:Apple公式 iPadユーザガイド『iPadでスクリブルを使ってテキストを入力する』

ただし、この機能には限界もあります。あくまで「キーボードの代わり」なので、矢印を引いたり、イラストを描いたりといった「手書きのニュアンス」を残すことはできません。また、Notionのデータベースプロパティによっては、入力枠が小さすぎて書きにくい場合もあります。あくまで「テキスト入力の補助」として割り切って使うのがコツです。

FigJamを埋め込んで手書きメモを描画する

「図解を描きたい」「マインドマップを自由に手書きで広げたい」という場合に、私が現在最も推奨しているのが、デザインツールFigmaが提供しているオンラインホワイトボード機能、「FigJam」との連携です。

FigJamはWebブラウザ上で動作するホワイトボードツールですが、iPadアプリの書き心地が非常に滑らかで、遅延もほとんどありません。そして何より素晴らしいのが、Notionへの「埋め込み(Embed)」に完璧に対応している点です。画像を貼り付けるだけの「静的」な管理とは異なり、Notion上で直接中身を触れる「動的」な運用が可能になります。

FigJam連携の具体的な手順とメリット

連携の手順は非常にシンプルですが、ちょっとしたコツがあります。

  1. FigJamでボード作成: まずはFigJamアプリ(またはブラウザ)を開き、新しいボードを作成して自由に手書きや付箋貼りをします。
  2. リンクをコピー: 右上の「共有(Share)」ボタンから、ボードのリンクをコピーします。
  3. Notionにペースト: Notionのページに戻り、リンクを貼り付けます。
  4. 埋め込みを選択: 表示されるメニューから「プレビューとして貼り付け(Paste as preview)」を選択します。

こうすると、Notionのページの中にFigJamのウィンドウ(Iframe)が生成され、ボードの中身がそのまま表示されます。この方法の最大のメリットは、「同期のリアルタイム性」です。iPadのFigJamアプリで書き込んだ内容が、数秒も経たずにPCのNotion画面上の埋め込みウィンドウにも反映されます。

【注意点:ページの重さと読み込み速度】 埋め込み機能は便利ですが、1つのNotionページに大量のFigJamボードを埋め込むと、ページの読み込み速度が低下したり、スクロールがカクついたりする原因になります(特にスペックの低いPCやタブレットの場合)。「1ページにつき埋め込みは1〜2個まで」といったルールを設けて運用するのが、快適さを保つ秘訣です。

GoodNotesと連携してノートを保存する

学生の方や、資格試験の勉強をしている社会人の方にとって、iPadのノートアプリ「GoodNotes 6」や「Notability」は手放せないツールですよね。これらのアプリで書いた渾身のノートを、知識のデータベースであるNotionにいかに統合するか。これには大きく分けて2つのアプローチがあります。

アプローチ1:共有リンクによる「動的参照」

GoodNotesには「Web共有リンク」を発行する機能があります。このURLをNotionに埋め込むことで、ブラウザ経由でノートを閲覧できるようにする方法です。 メリット:ノートを更新すれば、Notionから開いた先でも最新の状態が見られること。また、Notion側の容量を圧迫しません。 デメリット:オフライン環境ではNotion上で表示されないことや、あくまで「Webビューア」としての表示になるため、Notion内検索の対象にはなりにくい点です。

アプローチ2:PDF/画像エクスポートによる「完全保存」

もう一つは、ノートをPDFや画像(PNG/JPEG)として書き出し、Notionのページ内やデータベースの「ファイル&メディア」プロパティに格納する方法です。私は「完了した学習ノート」や「保存版の資料」に関しては、こちらの方法を強くおすすめしています。

方法 メリット デメリット・注意点
共有リンク埋め込み 常に最新版が反映される Notionの容量を食わない オフラインで見られない 将来的にリンク切れのリスク
PDF/画像書き出し Notion内にデータが残る オフライン閲覧が可能 修正時の再アップが手間 無料プランは1ファイル5MB制限

特にNotionの無料プラン(フリープラン)を使っている場合、1ファイルあたりのアップロード上限が5MBまでという制限があります。高解像度で何十ページもあるPDFノートは5MBを超えることが多いので、その場合はページを分割するか、画像を圧縮するか、あるいは有料プラン(Plusプラン以上)へのアップグレードを検討する必要があります。

Split Viewで画像をドラッグ&ドロップ

もっと直感的に、アナログ感覚でスクラップブックを作りたいなら、iPadOSのマルチタスク機能である「Split View(画面分割)」を使わない手はありません。これは、ファイルの書き出しや保存といった面倒な手順をスキップできる、最もスピーディーな連携方法です。

具体的な操作フローは以下の通りです。

  1. iPadの画面で、左側にGoodNotes(または写真アプリ)、右側にNotionアプリを開きます。
  2. GoodNotes側で「なげなわツール」を選択し、Notionに持っていきたい手書き部分(図やイラスト)をぐるっと囲みます。
  3. 囲んだ部分を指またはペンで長押しし、少し浮き上がったらそのままNotionのページ上へドラッグ&ドロップします。

たったこれだけで、手書きの選択範囲が「背景透過のPNG画像」としてNotionに貼り付けられます。「会議中に書いた図解だけを、議事録の横に貼っておきたい」「勉強ノートの重要な数式だけを、まとめページに転記したい」といったシーンで、この技は最強の効率を発揮します。

この方法であれば、わざわざファイル全体をエクスポートする必要がないため、思考を中断することなくNotionへの情報集約が進みます。まさに「デジタル・スクラップブック」と呼ぶにふさわしい体験ですので、ぜひ一度試してみてください。

Notionの手書きデータを検索・活用する応用術

手書きメモの最大の弱点は何でしょうか?それは「後から検索できないこと」だと思っていませんか?紙のノートに書いた情報は、ページをパラパラとめくらないと見つかりません。しかし、Notionと最新のAI技術、そしてOCR(光学文字認識)を組み合わせれば、手書きメモも立派な「検索可能なデジタル資産」へと進化します。ここでは、一歩進んだ情報の活用術をご紹介します。

Notion AIで画像内の手書き文字を認識

もしあなたが「Notion AI」(有料のアドオン機能)を契約しているなら、ぜひ活用してほしいのが高度な画像認識機能です。Notion AIは単に文章を書いたり要約したりするだけでなく、ページに貼り付けられた画像を「見る」力を持っています。

例えば、ホワイトボードに殴り書きした会議のメモや、手帳に書いたアイデアの写真をスマホで撮り、Notionのページに貼り付けます。そして、そのブロックを選択した状態でAIにこう依頼するのです。

「この画像の内容を読み取って、要約してください。また、含まれているタスクをToDoリスト形式で書き出してください。」

すると驚くべきことに、AIは画像の中の乱雑な手書き文字を認識し、整形されたテキストデータとして出力してくれます。さらに凄いのが多言語対応です。英語で書かれた手書きメモの画像を読み込ませて、「日本語に翻訳してテキスト化して」と頼めば、翻訳とデータ化が同時に完了します。

これは「アナログ情報のデジタル化」における革命と言っても過言ではありません。これまで「画像」として死んでいたデータが、AIを通すことで「テキスト」として生き返り、検索やコピー&ペーストが可能になるのです。

Notion AIの基本的な機能や他の活用法については、Notion AIの便利な使い方をまとめた記事でも詳しく解説しているので、興味がある方は合わせてチェックしてみてください。

OCRアプリでアナログ文字を検索可能にする

「Notion AIは契約していないけれど、手書き文字を検索したい」という方も安心してください。OCR(文字認識)機能を持った外部ツールをワークフローに組み込むことで、同様の自動化が可能です。

例えば、日本の業務効率化ツールである「Yoom」や、世界的に有名な「Zapier」といったiPaaS(Integration Platform as a Service)ツールを活用します。これらを使うと、プログラミングの知識がなくても、以下のような自動化フローを構築できます。

【手書きメモ自動データベース化の例】

  1. スマホで手書きメモを撮影し、Googleドライブの指定フォルダにアップロードする。
  2. YoomやZapierが「新しいファイルの追加」を検知する。
  3. Google Cloud Vision APIなどのOCRエンジンを使って、画像内の文字をテキストデータに変換する。
  4. 変換されたテキストと元画像をセットにして、Notionの指定したデータベースに自動登録する。

一度この仕組みを作ってしまえば、あとは「メモを撮ってフォルダに入れるだけ」。これだけで、Notionを開けば自動的にテキスト化されたメモがデータベースに並んでいる状態になります。後からNotionの検索窓(Cmd/Ctrl + P)にキーワードを打ち込めば、手書きだったはずの内容がヒットするようになります。「あの時のアイデア、どこに書いたっけ?」と紙のノートをひっくり返す時間は、もう過去のものです。

iPadの標準メモアプリと連携させる裏技

外部ツールや設定が面倒だと感じる方には、iPad(iOS/iPadOS)に標準搭載されている「メモ」アプリを活用する裏技がおすすめです。実はAppleの標準メモアプリは、世界最高レベルのOCR精度を持っており、特別な設定なしで手書き文字を認識しています。

テキストとしてコピー&ペースト

標準メモアプリで手書きした文字の上を長押し(またはタップして選択)してみてください。メニューの中に「テキストとしてコピー」という項目が出てくるはずです。これを選ぶと、手書き文字がクリップボードには「活字のテキスト」としてコピーされます。

あとはNotionを開いてペーストするだけ。これなら、高価なツールを使わずとも、手書きのスピード感とデジタルテキストの利便性を両立できます。

クイックメモからの共有

また、iPadの画面右下からスワイプして起動する「クイックメモ」機能もNotionと相性が良いです。Web版のNotionを見ながらクイックメモで手書きの注釈を入れ、書き終わったら共有メニューからNotionアプリを選択してページとして保存する。OS標準機能ならではの安定感と手軽さは、毎日のルーチンワークにおいて大きな武器になります。

勉強や仕事での手書きツールの使い分け

ここまで、様々な連携方法やツールを紹介してきましたが、選択肢が多すぎて「結局どう使い分けるのがベストなの?」と迷ってしまうかもしれません。私の経験から導き出した結論は、情報の性質に合わせて「フロー(思考の過程)」と「ストック(知識の蓄積)」で道具を分けるという戦略です。

  • フロー(Flow):思考を発散させる段階 使うツール:GoodNotes 6、FigJam、または紙のノート ここでは「自由度」が最優先です。無限のキャンバスに書きなぐり、矢印を引き、図を描く。この段階ではNotionの制約を気にする必要はありません。脳内のイメージをそのまま吐き出すことに集中しましょう。
  • ストック(Stock):情報を整理・保存する段階 使うツール:Notion 思考がある程度まとまったら、その結果や重要なポイントをNotionに集約します。ここで優先すべきは「検索性」と「一覧性」です。手書きの画像は参照用として貼り付けつつ、検索用キーワードや要約をテキストで追記します。

すべてをNotionだけで完結させようと無理をする必要はありません。むしろ、適材適所で最高のツールを使い分け、それらの最終的な「目次」としてNotionが存在する。この構成こそが、デジタルとアナログの良いとこ取りをした、最もストレスのない情報管理術だと私は確信しています。

まとめ:Notionの手書き活用で思考を加速

今回解説してきた通り、Notionは「手書きができない不便なツール」ではありません。むしろ、FigJamやiPad、OCR技術といった外部の強力なパートナーと連携することで、単体では成し得ない柔軟な情報ハブへと進化します。

スクリブルを使って隙間時間にテキストを入力するのも良し。FigJamでチームとリアルタイムにアイデアを戦わせるのも良し。あるいはNotion AIの力を借りて、過去のアナログノートを一気にデジタル資産化するのも良いでしょう。大切なのは、あなたのワークスタイルに合わせて、Notionという「箱」の中にどんな道具を配置するかです。

ぜひ、今回ご紹介したテクニックの中から、ご自身の直感に合うものを一つでも取り入れてみてください。手書きの温かみと思考のスピード感が、Notionの整理能力と融合した時、あなたの知的生産性は間違いなく次のレベルへと加速するはずです。

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