
Notionを使い始めて、多くの人が最初につまずくのが「Notionデータベース」機能かもしれませんね。Notionデータベースの使い方がいまいち分からなかったり、Excelとの違い、特にセルの結合ができない理由に戸惑ったりしませんか。私も最初は、連携(リレーション)や関数の使い方が難しく感じました。
でも、テンプレートの活用法を知り、フィルターやロック機能、さらにはNotionデータベースAIの自動入力などを覚えることで、その本当の便利さに気づきました。この記事では、そんなNotionデータベースの基本から応用まで、作成のコツも含めて分かりやすく解説していきますね。
- NotionデータベースとExcelとの根本的な違い
- 基本的なデータベースの作り方とビューの使い方
- リレーション(連携)や関数の応用テクニック
- AIを活用したデータベースの自動入力方法
Notionデータベースの基本
Notionのデータベースは、単なる表計算ソフトとは全く異なる考え方で作られています。まずは、その基本的な使い方、Excelとの違い、そして挫折しないためのテンプレート活用法や作成のコツを見ていきましょう。
- Notionデータベース:使い方 (基本)
- Notionデータベース:Excelとの違い
- Notionデータベース:結合できない理由
- Notionデータベース:テンプレート活用法
- Notionデータベース:作成のコツ
Notionデータベース:使い方 (基本)
Notion データベースの使い方の基本は、これが単なる「表」ではなく、「ページの集まり」であると理解することです。この概念が、Notionの柔軟性とパワーの源泉なんですね。
ExcelやGoogleスプレッドシートでは、「セル」というマスに文字や数値を入力するだけですが、Notionのデータベースは、一行一行が独立した「ページ」として機能します。例えば、タスク管理データベースの「企画書作成」という行(アイテム)をクリックすると、そのタスク専用のページが開き、その中に詳細なメモ、チェックリスト、関連資料のPDF、画像、議事録へのリンクなど、あらゆる情報を自由に追加できるんです。
作成方法は簡単で、Notionのページ内で /table と入力し、「テーブルビュー」を選択して「新規データベース」をクリックするだけです。最初に表示されるのはExcelのような表形式ですが、これが全ての情報の「原本(マスター)」となります。
このデータベースを本当に機能させるために、「プロパティ」(列に相当)を設定します。これは、各ページ(行)に「属性」や「情報タグ」を持たせるためのものです。例えば、タスク管理なら「ステータス」(未着手、進行中、完了など)、「期限」(日付)、「担当者」(チーム利用の場合)、「優先度」(高・中・低)といったプロパティを設定します。このプロパティをしっかり設定することが、後で情報を分類したり、必要なものだけを絞り込んだりするための鍵になりますね。
Notionデータベース:Excelとの違い
Notion データベースとExcel(またはGoogleスプレッドシート)との決定的な違いは、その設計思想と主な目的にあります。Excelは「表計算(スプレッドシート)」ツールであり、Notionは「データ管理(データベース)」ツールです。
Excelの強みは、セルを自由に結合したり、複雑な罫線を引いたり、セルごとに細かく色付けしたりするなど、自由な「見た目(レイアウト)」の調整と、高度な「計算」機能にあります。そのため、帳票や見積書、請求書のように、最終的に印刷したり、「表」としての見た目を整えたりすることが重要なドキュメント作成に優れています。
一方、Notion データベースは、「データの構造化」を最優先事項としています。各データ(ページ)が「ステータス」や「期限」といった決まった属性(プロパティ)を持つことを重視し、その構造に基づいてデータを自在に並べ替え(ソート)、絞り込み(フィルター)、そして表示形式(ビュー)を瞬時に変更することに特化しています。見た目の自由度(例:セル結合)を犠牲にする代わりに、データの整合性や再利用性、柔軟な表示能力を手に入れているのが、Excelとの大きな違いですね。
Notionデータベース:結合できない理由
Notion データベースの使い始めに多くのExcelユーザーが戸惑うのが、「Excelのようにセルの結合ができない」という点です。これはNotionの機能不足やバグではなく、データベースとしての思想に基づいた意図的な仕様です。
その理由は、Notionがデータの「構造」と「整合性」を最優先しているためです。
例えばExcelで、A列のセルA2とA3を結合して「共通項目A」と入力したとします。この操作を行うと、データとしては2行目と3行目は異なるレコード(データ行)であるにもかかわらず、A列の値が曖昧になります。この状態でA列を基準に「並べ替え(ソート)」や「絞り込み(フィルター)」を実行しようとすると、Excelは正しく処理できずエラーを出すか、意図しない結果になってしまいます。つまり、セル結合は、データの構造を「破壊」してしまう行為なんですね。
Notion データベースは、強力なフィルター機能やソート機能、そして後述するビューの切り替え機能(ボードビューやカレンダービューなど)が核となっています。これらの機能を正しく動作させる大前提として、「全ての行(ページ)が同じ構造(プロパティ)を持ち、各セル(プロパティの値)が独立している」必要があるのです。ただし代替レイアウト手段(トグル・インラインレイアウト/複数列構成)を活用することが可能です。
一見不便に思える「セル結合ができない」という制約は、NotionがExcelのような「表計算ソフト」ではなく、「データベース」として一貫した動作を保証するために不可欠なルール、というわけです。この違いを受け入れることが、Notionを使いこなす第一歩かもしれません。
Notionデータベース:テンプレート活用法
Notion データベースの自由度の高さは、「何から手をつければいいか分からない」「どう設計すれば効率的か分からない」という、初心者にとっての挫折の原因にもなりがちです。私自身、最初は多くのプロパティを作っては消し、を繰り返していました。
そこで、初心者の方に最もおすすめしたいのが、テンプレートの活用です。
テンプレートとは、タスク管理、議事録、読書リスト、家計簿など、特定の目的に合わせて、経験豊富なユーザーがあらかじめデータベースの構造(必要なプロパティ、ビュー、フィルター設定など)を設計・構築済みの「雛形(ひながた)」のことです。これを利用することで、ゼロからデータベースを設計する複雑な手間を一切省き、いわば「答え」とも言える効率的な管理方法をすぐに自分のワークスペースで使い始めることができます。
Notionには、Notion社自身が提供する「公式テンプレート」(アプリのサイドバーにある「テンプレート」からアクセス可能)と、世界中のNotionユーザーが作成・公開している「コミュニティテンプレート」の2種類があります。特に公式テンプレートギャラリー(Notion公式テンプレートギャラリー)には、日本語で高品質なテンプレートが多数用意されています。
使い方は簡単です。気に入ったテンプレートを見つけたら、「複製」(Duplicate)または「テンプレートを入手」といったボタンをクリックするだけ。それだけで、選んだテンプレートの完全なコピーが自分のワークスペース内に作成され、すぐに使い始めることができます。
テンプレートは「完成品」ではなく「最高の土台」
大切なのは、テンプレートをそのまま使うだけで終わらせないことです。それを「土台(ベース)」として、自分の使い方に合わせて自由にカスタマイズしてみましょう。例えば、タスク管理テンプレートを複製した後、「自分の業務には『重要度』プロパティが足りないな」と感じたら、プロパティを追加してみる。あるいは、「ボードビューの見た目をもう少しシンプルにしたい」と思ったら、表示するプロパティを減らしてみる。
このように、テンプレートを分析し、改造(カスタマイズ)することこそが、Notionの高度な機能(データベース、ビュー、フィルターなど)を実践的に学ぶ一番の近道かなと思います。
Notionデータベース:作成のコツ
Notion データベースの作成に少し慣れてきたら、ぜひ意識してほしいのが「フルページ」と「インライン」の使い分けです。これは、Notionで情報を破綻させずに、スッキリと整理・管理する上での重要なコツとなります。
データベースを新しく作成する際(例えば /database コマンドを使った時など)、Notionは2種類の表示形式を選ばせてくれます。
- フルページ (Full page): そのページ全体が1つのデータベースになります。ページタイトルがデータベース名となり、そのページにはデータベース以外の他のコンテンツ(テキストや画像など)を(基本的には)置けません。
- インライン (Inline): 既存のページ(例えば、プロジェクトの概要を書いたドキュメントページ)の一部として、文章や画像と並べてデータベースを埋め込む形式です。
初心者のうちは、ページを作ってはインラインデータベースを追加していく、という使い方をしがちですが、これだと情報が分散しやすくなります。
Notionを使いこなすための作成のコツは、「情報の『原本(マスターデータベース)』はフルページで作成し、普段は見えない場所に保管する」ことです。そして、普段作業するダッシュボードやプロジェクトページには、そのマスターデータベースを「参照」する形(これは「リンクドデータベース」と呼ばれます)で、インライン形式で設置します。
「原本」と「参照」を分ける設計思想
例えば、以下のような流れです。
- まず、「[マスター] 全社タスク管理」という名前のフルページデータベースを1つだけ作成します。このページは、普段は直接開かず、サイドバーの奥など(例:「データベース」という専用ページの中)に保管しておきます。
- 次に、普段作業する「自分のダッシュボード」というページを別途作成します。
- このダッシュボードページ内で、
/linked databaseコマンドを使い、「[マスター] 全社タスク管理」データベースを参照する「リンクドデータベース」をインラインで設置します。 - さらに、このインラインデータベースに「フィルター」をかけ、「担当者が自分」かつ「ステータスが未完了」のタスクだけが表示されるように設定します。
この「原本」と「参照(窓)」を分ける設計思想が、Notionで情報を一元管理しつつ、必要な情報を必要な場所でスッキリと表示させるための鍵となりますね。
Notionデータベースの応用テクニック
データベースの基本をマスターしたら、次はいよいよNotionの真価が発揮される応用テクニックです。データベース同士を連携させる「リレーション」、必要な情報だけを抽出する「フィルター」、そして作業を自動化する「AI」や「ロック」機能について解説します。
- Notionデータベース:連携(リレーション)
- Notionデータベース:フィルター の設定
- Notionデータベース:関数の使い方
- Notionデータベース:AIの自動入力
- Notionデータベース:ロックの方法
- まとめ:Notionデータベースを活用
Notionデータベース:連携(リレーション)
Notion データベースの真価であり、Excelでは決して真似のできない最も強力な機能が、異なるデータベース同士を「連携(リレーション)」させ、情報を有機的に繋げられる点にあります。これが、Notionが単なる表ではなく「業務システム」や「第二の脳」と呼ばれる理由です。
リレーションとは、あるデータベースのページ(例:「タスクA」)を、別のデータベースのページ(例:「プロジェクトX」)に紐づけるための、高度なプロパティです。
例えば、「プロジェクトDB」(プロジェクト一覧を管理)と「タスクDB」(日々のタスクを管理)という2つの異なるデータベースがあるとします。そのままでは、どのタスクがどのプロジェクトのものか、情報が分断されていますよね。
そこで、「タスクDB」に新しいプロパティを追加し、プロパティの種類として「リレーション」(Relation)を選択します。そして、連携(リレーション)する先のデータベースとして「プロジェクトDB」を指定します。
これにより、個別のタスクページ(例:「A企画書作成」)を編集する際に、「プロジェクト」というリレーションプロパティから「新製品開発プロジェクト」を選択して紐づけることができます。この連携は双方向です。タスク側で「新製品開発プロジェクト」に紐づけると、今度は「プロジェクトDB」側の「新製品開発プロジェクト」のページを開いた際に、「このプロジェクトに関連するタスク」として「A企画書作成」が自動的に一覧表示されるようになります。
これにより、プロジェクトとタスク、顧客と商談履歴、記事と執筆者など、あらゆる情報がサイロ化(分断)せず、常に関連情報がコンテキストとして表示される、強力な情報ネットワークを構築できます。
ロールアップ(集計)機能
リレーションと必ずセットで使われるのが「ロールアップ」(Rollup)機能です。これは、リレーションによって紐づけられた先のデータベースから、特定の**プロパティ情報を「集計」**または「表示」するための機能です。
具体例:プロジェクトの進捗率を自動計算する
上記の例で、リレーションが設定されている前提で、「プロジェクトDB」側にプロジェクトごとの「タスク進捗率」を自動で表示させたいとします。
- 「プロジェクトDB」に、「進捗率」という名前の「ロールアップ」プロパティを新規追加します。
- ロールアップの設定画面で、以下の3点を指定します:
- リレーション (Relation): どの関連先を見に行きますか? → 「タスクDB」を選択。
- プロパティ (Property): 関連先のどのプロパティを見ますか? → (タスクDBの)「ステータス」プロパティを選択。
- 計算 (Calculate): 見つけたデータをどう集計しますか? → 「完了の割合 (%)」(Percent complete)を選択。
これだけの操作で、「プロジェクトDB」の一覧を見るだけで、各プロジェクトに紐づく全タスクのうち、何パーセントが「完了」ステータスになっているかがリアルタイムで自動計算され、表示されるようになります。Excelの手動集計やピボットテーブルとは異なり、情報が常時同期されるのが圧倒的な強みですね。
Notionデータベース:フィルターの設定
データベースに情報(ページ)が蓄積されてくると、すべての情報が一覧表示されてしまい、「情報が多すぎて必要なものが見つからない」という状態になりがちです。次に重要になるのが、「いかに必要な情報だけを、必要な形で見やすく表示するか」という技術です。そのために不可欠なのが「フィルター」機能です。
フィルターは、データベースのビュー(テーブル、ボード、カレンダーなど)に表示されるデータを、あなたが設定した特定の条件で絞り込む機能です。各ビューの右上にある「フィルター」(Filter)メニューから設定します。
例えば、何百ものタスクが登録されている「タスクDB」も、フィルターを使えば即座に「自分専用のToDoリスト」に変えることができます。
フィルターの具体例(自分専用の「今日やるべきタスク」ビュー)
「タスクDB」に新しいビュー(例:リストビュー)を作成し、「今日のタスク」と名前を付けます。そして、以下の複数の条件を設定し、「AND」(すべての条件を満たす)で組み合わせます。
- 条件1: 「担当者」プロパティが「自分」である
- 条件2: 「ステータス」プロパティが「完了」ではない
- 条件3: 「期限」プロパティが「今日」である(または「今日以前」)
このフィルター設定をビューに保存しておけば、次回からその「今日のタスク」ビューを開くだけで、組織全体のノイズに惑わされることなく、「自分が今やるべき未完了タスク」だけが自動で抽出されて表示されます。これは、Notionでタスク管理を行う上で最も基本的かつ強力なテクニックの一つです。タスク管理の効率化については、「Notion AIタスク管理術:AIで効率化!基本から応用まで」の記事も参考にしてみてください。
さらに、「フィルターグループ」機能を使えば、「(担当者が自分で、かつ優先度が『高』)OR(担当者が自分で、かつ期限が『今日』)」といった、複数の条件を括弧でくくるような、より高度な絞り込み(ANDとORの組み合わせ)も可能です。
Notionデータベース:関数の使い方
Notion データベースでは、「関数」(Formula)プロパティを使って、Excelのように他のプロパティの値を基に自動計算を行ったり、条件分岐(IF文)で表示する内容を変えたりすることができます。
これは、手動での計算ミスを防ぎ、データを動的に更新・表示するために非常に便利な機能です。ただし、Notionの関数は、Excelの関数(例:=SUM(A1:A5))とは記法(書き方)が少し異なり、JavaScriptライクな独自の構文(例:prop("単価") * prop("数量"))を使用するため、最初は少し戸惑うかもしれません。
まずは、簡単な使い方(関数)の例から試してみるのが良いでしょう。
簡単なNotion関数の記述例
- 簡単な四則演算: 「単価」プロパティと「数量」プロパティの値を取得し、それらを掛け算して「合計金額」として表示します。
prop("単価") * prop("数量") - 条件分岐 (if文): 「ステータス」プロパティの値が「完了」だったら「お疲れ様!」と表示し、それ以外(未着手や進行中)なら「頑張って!」と表示します。
if(prop("ステータス") == "完了", "お疲れ様!", "頑張って!") - 日付の計算(期限までの残り日数): 「期限」プロパティの日付と、「今現在(now)」の日付の間が何日間あるかを計算し、残り日数として表示します。(結果がマイナスなら期限切れ)
dateBetween(prop("期限"), now(), "days")
Notionの関数機能は非常に奥深く、テキストの操作、日付の複雑な計算、リレーション先の情報を利用した計算など、多くのことが可能です。最初は難しく感じるかもしれませんが、最近では、後述するNotion AIに「こういう計算がしたい」と日本語で依頼すれば、適切な関数コードを書いてくれるようにもなりましたので、活用しない手はないですね。
Notionデータベース:AIの自動入力
Notion データベースの活用をさらに次のレベルへ、まさに未来の領域へと引き上げるのが、Notion AIとの連携です。特に「AIカスタム自動入力」(AI custom autofill)と呼ばれるプロパティ機能は、データベース管理の自動化に革命をもたらします。
これは、データベースに「AI」タイプのプロパティを追加し、そのプロパティに「AIに実行させたい指示(プロンプト)」をあらかじめ設定しておく機能です。AIは、同じ行(ページ)にある他のプロパティの情報(例:タスク名、期限など)や、そのページの本文コンテンツ全体を読み取り、あなたが設定した指示に従った処理を実行し、結果をAIプロパティのセルに自動で入力します。
データベースAIの具体的な活用事例
- 議事録データベースの「AI自動要約」: データベースに「AI要約」プロパティを追加し、プロンプトとして「このページの本文コンテンツを読み、主要な決定事項を3つの箇条書きで要約してください」と設定します。会議が終わって本文をページに貼り付けるだけで、AIが自動で要約を生成してくれます。AI要約の詳細は「Notion AI 要約 使い方を徹底解説!PDFも自動化」で解説しています。
- タスクデータベースの「AI自動分類」: 「AIカテゴリ」プロパティを追加し、「タスク名(Title)プロパティの内容を読み、最も適したカテゴリを『営業』『開発』『マーケティング』『その他』から選んでください」と指示します。タスク名を入力するだけで、AIが自動でカテゴリ(セレクトプロパティ)を設定してくれます。
- アイデアデータベースの「キーワード抽出」: 「AIキーワード」プロパティを追加し、「このアイデアの詳細(ページコンテンツ)を読み、関連するキーワードを5つ抽出してください」と指示します。アイデアをタグ付けする手間を省けます。
このように、これまで人間が時間をかけて手動で行っていた「要約」「分類」「タグ付け」といった定型作業をAIに任せることで、データベースの管理・運用コストを大幅に削減し、情報の価値を高めることができますね。ただし精度には限界があり、最終的には手動でのチェックが推奨されます。
Notionデータベース:ロックの方法
Notion データベースを自分一人で使っているうちは問題ありませんが、チームで共同編集を始めると、「誰かが間違ってビューのフィルター設定を変えてしまった」「重要なプロパティ(列)を誤って削除してしまった」といったヒューマンエラーによる事故が起こりがちです。特に、フィルターやソートを駆使して丹精込めて作り込んだビューが、他のメンバーによって意図せず壊されてしまうと、復旧が大変ですよね。
このような意図しないデータベースの「構造」の変更を防ぎ、管理者が意図した状態を維持するために、Notionには「データベースのロック」(Lock database)機能が用意されています。
設定方法は非常に簡単です。ロックしたいデータベースの右上にある「・・・」(その他メニュー)をクリックし、表示されたメニューの上部にある「データベースをロック」(Lock database)をオン(トグルスイッチを青色)にするだけです。
ロック機能で保護されるもの(変更できなくなること)
データベースをロックすると、一般のメンバー(編集権限を持つユーザー)は、以下の「構造に関する操作」ができなくなります。
- 新しいビューの作成、既存ビューの名前の変更・編集・削除
- フィルターやソート、グループ化の設定の変更
- プロパティ(列)の追加、削除、名前の変更、種類の変更、順序の変更
(出典:Notionヘルプセンター『データベースのロック』)
ロックしても「データ(中身)の編集」は可能です
ここで重要な点として、データベースをロックしても、データの追加や編集(=行の追加や、各セルの値の入力・変更)は通常通り可能です。
このロック機能は、あくまでデータベースの「設計図」(プロパティ構成)や「見た目」(ビューの設定)を、管理者が意図した状態に固定するための機能であり、日々のデータ入力を妨げるものではありません。チームでデータベースを安定的に運用していくためには、管理者がデータベースの構造を完成させた後、このロック機能をオンにしておくことが非常に有効な手段となります。
まとめ:Notion データベース を活用
この記事では、Notion データベースの基本的な考え方から、Excelとの根本的な違い、具体的な作成方法、そしてビューの切り替え、リレーション(連携)、AIによる自動入力、ロック機能といった応用テクニックまで、幅広く解説してきました。
Notion データベースは、単なる表ではなく、情報に「構造」と「意味」を与え、それらを「連携」させることで、あなただけの業務システムやナレッジベース、個人の「第二の脳」を構築するための、信じられないほど強力で柔軟な基盤です。その使い方をマスターすることで、日々の情報管理やタスク処理の効率は飛躍的に向上するはずです。
最後に、Notion データベースを活用し、使いこなすための重要なポイントを、この記事のまとめとして箇条書きで整理します。
- Notion データベースの基本は「ページの集まり」であり、各行が独立したページとなる
- Excelは「見た目」重視の表計算、Notionは「データの構造化」重視のデータベース
- セルの結合ができないのは、フィルターやソートといったデータベース機能を生かすための意図的な仕様
- 初心者は「テンプレート」を活用し、カスタマイズから始めるのがおすすめ
- 作成のコツは「マスターDB(フルページ)」と「参照用の窓(インラインのリンクドデータベース)」を分けること
- 「ビュー」(テーブル、ボード、カレンダー、タイムライン等)で1つのデータを多角的に可視化できる
- 「プロパティ」(ステータス、日付、担当者、セレクト等)でデータに属性(意味)を与える
- 「リレーション」でデータベース同士を連携させ、情報の分断を防ぐ
- 「ロールアップ」で連携先の情報を自動集計(例:タスク進捗率)できる
- 「フィルター」と「ソート」を使いこなし、必要な情報だけを抽出するダッシュボードを構築する
- 「関数」でプロパティ間の動的な自動計算が可能
- 「notion データベース ai」の自動入力プロパティで、要約や分類を自動化できる
- チーム利用時は「データベースのロック」で意図しない構造変更を防ぐ
- Notion データベースの活用は、まずシンプルな作成から始め、必要に応じて機能を「育てていく」のが成功の鍵